米内務省、洋上風力発電事業中止の見返りに仏企業へ巨額返還を決定
米内務省は3月23日、フランスのエネルギー大手トタルエナジーズが米国東部ニューヨーク州と南部ノースカロライナ州の沖合で計画していた洋上風力発電事業を中止する見返りとして、同社が支払ったリース費用約10億ドル(約1580億円)を返還すると正式に発表しました。
事業中止と返還金の具体的な内容
この返還金は、同社が米国内で進める化石燃料事業、特に南部テキサス州での液化天然ガス(LNG)プラントの建設などに振り向けられることが明らかになりました。さらに、トタルエナジーズは米国で今後、新たな洋上風力発電事業に着手しないことを誓約したと伝えられています。
洋上風力発電の風車の羽根などの部品は、2025年9月に米東部コネティカット州で撮影された写真(ロイター=共同)にも見られるように、大規模な設備投資を必要とするプロジェクトです。今回の中止は、こうした再生可能エネルギー事業から化石燃料へのシフトを象徴する動きとして注目されています。
トランプ政権のエネルギー政策との関連
トランプ大統領は従来から、洋上風力発電を「高価で信頼性が低い」と軽視する姿勢を示してきました。代わりに、温室効果ガスを大量に放出する化石燃料を安定電源として重視する政策を推進しており、今回の返還決定もその一環と見られています。
この決定は、米国のエネルギー政策が再生可能エネルギーから化石燃料へと傾斜していることを明確に示す事例となりました。国際的な気候変動対策の流れとは逆行する動きとして、今後の影響が懸念されます。



