福井工業大学、月周回宇宙船オリオンの電波受信に成功 国際プロジェクトで活躍
月周回探査計画「アルテミス2」において、米航空宇宙局(NASA)の宇宙船「オリオン」を追跡する国際プロジェクトに参加する福井工業大学は、4月3日未明、オリオンからの電波受信に成功しました。このプロジェクトには、国内からは同大学と衛星放送会社のスカパーJSAT(東京)が参加しており、オリオンが地球に帰還する予定の11日まで追跡を続け、約半世紀ぶりとなる有人の月探査計画を支援します。
歓声が上がった感動の瞬間
オリオンは2日朝、米国とカナダの宇宙飛行士4人を乗せて米フロリダ州から打ち上げられました。3日午前1時40分頃、福井工業大学あわらキャンパス(福井県あわら市)に設置された地上局のモニターに、地球から約6万7000キロメートル離れた宇宙空間を航行中のオリオンから届いた電波の様子が表示されると、集まった学生ら約15人から歓声が上がりました。
同大学4年の玉腰太一さん(21)は、「電波の様子がモニターにきれいに現れた瞬間、とても感動しました。大きなプロジェクトに携われてうれしいです」と笑顔を見せ、成功の喜びを語りました。
国際プロジェクトでの役割と将来への展望
このプロジェクトには、NASAの審査を通過した14か国の大学や企業など34組織が参加しており、国内では福井工業大学とスカパー社が選ばれました。オリオンが送信する電波を各地のアンテナで受け、正しい軌道で飛行しているかどうかのデータをNASAに提供する役割を担っています。
NASA担当者は今回の狙いについて、「宇宙開発が民間中心となる未来への重要な一歩です。遠い宇宙を探査するための基盤を強化できるでしょう」と述べ、プロジェクトの意義を強調しました。
福井工業大学が使用するのは、2024年にキャンパス内に新設した口径13.5メートルのパラボラアンテナで、国内の大学では最大級の規模を誇ります。このアンテナは、地球から約40万キロメートル離れた月周辺までの通信が可能とされています。
同大学あわら宇宙センター副センター長の中城智之教授は、「無事成功できて、初日としては100点です。この後も受信を続けて、将来は月面着陸の計画にも加わっていきたいと考えています」と話し、今後の活動への意欲を示しました。
スカパー社も受信に成功
一方、北海道や茨城県など計3か所のアンテナを使うスカパー社も3日、オリオンからの電波受信に成功したと発表しました。両組織の協力により、国際的な月探査計画への貢献が期待されています。
この成功は、日本の大学や企業が宇宙開発の最前線で活躍する可能性を示すものであり、今後の宇宙探査技術の発展に寄与することが期待されます。



