会津大生らがAIなど駆使し農業課題に挑む、耕作放棄地でサツマイモ栽培
会津大生らAI駆使し農業課題に挑む、耕作放棄地でサツマイモ栽培

急増する耕作放棄地など農業の課題解決に挑む会津大学の学生ら。普段は人工知能(AI)などの情報工学を学んだり研究したりしている「専門外」の学生たちが集まり、担い手不足や急増する耕作放棄地などの課題に挑んでいる。本年度は耕作放棄地の農地化を目指してサツマイモの栽培に取り組む。担い手の育成にもつなげるため、今春から始まったラジオ番組で農業をPRしたり、農業体験を通じて若者に農業の楽しさを伝えたりしていく。

NPO法人設立の背景

同大大学院博士課程の多田旭志さん(26)が中心となり、昨年12月にNPO法人「NSK_AIZU(エヌエスケー・アイヅ)」を設立して本格的に活動を始めた。約20人のメンバーのほとんどが農業未経験者。同大生のほかに、卒業生や同大短期大学部の学生も加わった。

多田さんの強い思い

「若者に農業の楽しさを知ってもらったり、地域課題を解決したりする一助になりたい」。理事長を務める多田さんの思いは強い。気候力学の研究室に所属し、専門は情報通信技術(ICT)を活用した土壌分析。その研究活動の中で農業に触れ、興味が湧いた。

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埼玉県出身で経験は全くなかったが、土壌分析のために農作業を始めると「農業の魅力にはまった」。作物が成長していく過程を見たり、収穫したりすることの喜びを感じ「この楽しさを共有したい」との思いが芽生えたという。友人や後輩に声をかけて仲間を募り、NPO法人の設立にこぎ着けた。

活動拠点とサツマイモ栽培

活動拠点は会津若松市河東町の耕作放棄地。大学の講義で知り合った講師をたどり、空き家に隣接した10アールの畑を借り、耕作を始めた。痩せた土壌でも育ちやすいことからサツマイモを選び、3種類の苗を植えた。秋には収穫し、交流会などを通じて地域住民に振る舞う予定だ。メンバーたちは現在、講義や仕事の前に畑に通い、手入れに余念がない。

農地化への長期目標

「目標は耕作放棄地の農地化。草が生えにくい農地に戻すためには、一般的に5~10年かかる」。多田さんらは農業に興味を持つ人たちに農地化した耕作放棄地を受け渡すことも計画している。現在は県や市の職員、地元の生産農家から助言を受けながら土壌改善にも励む。

将来の展望とラジオ番組

また将来的にはICTを活用し、地中の水分量や水素イオン濃度(pH)などを測定する技術を地元農家に提供することも視野に入れる。卒業生で副理事長の小林佑輔さん(22)は「ゆくゆくは学生たちが学んだことを還元できれば」と夢を膨らませる。

NPOは今春から、同市のコミュニティーFM「エフエム会津」でラジオ番組を始めた。耕作放棄地での日々の活動を発信しており、多田さんは「学生ら若者と地域住民が関わる場所にしていく」と決意を語った。

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