政府と与野党は、人工知能(AI)の開発・利用に関する包括的な規制法案で基本合意した。今国会に法案を提出し、年内の成立を目指す。生成AIの急速な普及に伴い、リスク管理とイノベーション促進の両立が課題となる中、世界に先駆けた法整備となる。
法案の概要
法案は、AIの開発者と事業者に対し、リスク評価と透明性確保を義務付ける。特に、偽情報拡散や差別、プライバシー侵害など、社会的リスクが高いとされる「ハイリスクAI」には、第三者機関による審査を課す。また、AIが生成したコンテンツには明示的なラベル表示を義務化し、ユーザーがAIによる出力であることを認識できるようにする。
与野党の合意点
与党は「イノベーションを阻害しない規制」を強調し、野党は「実効性のある規制」を求めた。調整の結果、規制対象を段階的に拡大する「段階的アプローチ」を採用。まずはハイリスクAIから規制を開始し、2年後をめどに対象範囲を見直す。また、罰則については、悪質な違反に限り刑事罰を科すことで一致した。
今後のスケジュール
政府は今月中に法案を閣議決定し、通常国会に提出する。与野党は年内成立を目標に、審議を加速させる。ただ、AI技術の進展が速いことから、法施行後も定期的な見直しが必要との声も上がっている。
専門家の見解
AI規制に詳しい専門家は「世界で初めての包括的AI規制法となる可能性がある。EUのAI規制法とも連携し、国際的なルール形成を主導する意義は大きい」と評価する一方、「規制の実効性を確保するための人材や予算が不足している」と指摘する。



