生成AI(人工知能)が商品を提案する際、大手企業や老舗ブランドといった権威性よりも、商品の用途や機能が利用者のニーズに合致するかどうかを優先する傾向があることが、新たな調査で明らかになった。対話型AI「ChatGPT」(チャットGPT)とグーグル検索のAI回答機能を分析した結果、このような傾向が浮かび上がった。
調査の概要
GMOインターネットグループ傘下のGMO TECHが6月5日に調査結果を公表した。今年5月、ChatGPTとグーグル検索のAI回答機能「AIモード」による日本語の回答4万1264件を収集・分析し、商品やサービスの推薦のされ方を詳細にまとめた。回答の構造に着目し、AIがどのような観点で提案を行っているのかを整理した。
分析対象と方法
調査対象は金融、通信、旅行、飲食店、食品、家電、コスメなど35分野にわたる。例えば、「おすすめのクレジットカードは?」という質問に対して、AIが回答の中でどのような切り口で候補を提示しているかを、「用途」「性能」「価格帯」「利用者属性」など34項目に分類して比較した。
主な結果
分析の結果、ChatGPTは特に「価格・コスパ」を重視する傾向が強く、次いで「用途」「機能」が重要視されていた。一方、グーグルのAIモードは「権威性」や「ブランド力」をより重視する傾向が見られた。具体的には、ChatGPTの回答では「予算に合わせた」「目的に最適な」といった表現が多く見られ、ユーザーの個別ニーズに寄り添った提案がなされていた。
また、ChatGPTは回答の中で複数の選択肢を提示する際、各商品の特徴を比較しながら、ユーザーの状況に応じた推奨理由を明確に示す傾向があった。これに対し、グーグルのAIモードは、有名ブランドや評価の高い老舗商品を優先的に挙げるケースが目立った。
今後の展望
今回の調査結果は、AIによる商品推薦の質が向上しつつあることを示している。GMO TECHは「生成AIは単に人気商品を羅列するのではなく、ユーザーの真のニーズをくみ取った提案ができる可能性がある」とコメントしている。今後、AIがよりパーソナライズされた推薦を行うことで、消費者の意思決定を支援する役割が期待される。
一方で、AIの回答には偏りや誤情報のリスクも存在するため、利用者は批判的に情報を評価する必要がある。調査結果は、AI技術の進化とともに、その活用方法についても議論を呼びそうだ。



