「好き」を原動力に全国大会出場!日大豊山放送部の挑戦と学芸部の魅力
「好き」を原動力に全国大会出場!日大豊山放送部の挑戦

「好き」を原動力に全国大会へ

日本大学豊山中学校・高等学校(東京都文京区)の放送部が、昨年度の「NHK杯全国中学校放送コンテスト」東京都大会で初優勝を果たし、全国大会に出場しました。同校は体育部の活躍が注目されがちですが、放送部をはじめとする学芸部には部活動参加者の約半数が所属し、「好き」という純粋な気持ちを原動力に、主体的な活動を展開しています。本記事では、放送部の取り組みを中心に、学芸部の魅力に迫ります。

優勝への道のり

昨年6月8日に行われた東京都大会で、同校放送部は「食と音楽の関係性」をテーマにしたラジオ番組で初優勝。その作品「食事に音楽をひとつまみ」で、8月の全国大会でも優良賞を受賞しました。この作品を手がけたのは、現中学3年生の川嶋慧斗君、江口航太君、カーン・ワハジュ奄慈君、坂本優歩君の4人チームです。

コンテストでは、5分以上7分以内のラジオ番組を制作し、録音して提出します。通常は10月後半から準備を始め、翌年5月の完成を目指します。4人は互いにアイデアを出し合い、顧問の前田崇臣教諭にテーマ案を提出してはダメ出しされることを繰り返しました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

最終的に採用されたのは、カーン君の「昼食の弁当が冷たくておいしくない」という悩み。音楽を聴きながら食事をすると「うまみ」がアップするという論文の著者に取材し、その情報を基に作った曲を聴きながら弁当を食べると実際においしく感じるという番組構成にしました。

テーマ設定から学ぶ探究力

前田教諭は、「当初のテーマ案は『なぜ学校で頭髪検査があるのか』など、自分たちの興味に留まっていました。番組制作では、聴取者が多様であることを俯瞰し、テーマを広げる必要があるため、修正を繰り返して完成度を高めました」と語ります。「テーマを設定し調査・検証し結果をまとめる流れは探究活動と同じ。何度もダメ出しを受けることで、物事を多角的に考え抜く力が身につきました」

チームワークと役割分担

番組制作では、川嶋君が編集、江口君が台本制作・録音・編集、カーン君がナレーション、坂本君が録音を担当。川嶋君は「音にこだわり、効果音を確認しながら編集するのが大変でしたが、初めての大会で決勝に出たいと思い、日々努力を積み重ねた結果、優勝できました」と振り返ります。江口君は「台本づくりは難しかったが、先輩に相談しながら進め、BGM調整などの編集が楽しかった」、カーン君は「セリフを噛んで何度も取り直しになり申し訳なかった。テーマを修正し続け、考える力がついた」、坂本君は「みんなで一つのものを作り上げるのが楽しく、役割分担の経験が授業にも活きている」と話します。

前田教諭は「最初は意見がぶつかることもあったが、次第にお互いの力を認め合い、得意分野を生かせるようになった」と評価。文化祭などでの裏方経験は「将来、社会で活躍するうえで役立つ」と述べています。

学芸部の日常と育成理念

同校には10の体育部と11の学芸部があり、部活動参加者の約半数が学芸部に所属。理科部顧問で高校学年主任の青木智宏教諭は、「学芸部も体育部と同様、目的達成のための方法を考え実践すること、先輩後輩との交流による社会性の向上、自ら課題を見つける主体性の育成を目指しています」と語ります。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

放送部は現在、中学2・3年と高校2・3年の計約20人が所属。火曜から金曜の放課後に活動し、発声・滑舌トレーニングや筋トレを行います。普段は昼・帰りの放送や連絡放送を担当し、入学式や卒業式の音響、体育大会の実況、文化祭の舞台照明・音響も担います。年間の目標はNHK杯全国中学校放送コンテストへの出場で、個人のアナウンス・朗読部門とチームのラジオ番組部門に挑みます。

前田教諭は「目標がないとモチベーションが途切れるため、大会出場を目指します。中学生は計画的な行動が苦手なので、毎週活動計画表を作り進捗を確認する仕組みを作っています。先輩が後輩をサポートするよう促しています」と話します。

部活動がもたらす精神的成長

学芸部の生徒たちは「好き」という気持ちを原動力に学びを重ね、二つの部を掛け持ちする生徒も珍しくありません。卒業生で学習院大学1年の安藤悠大さんは、模型部と電子計算機部に所属し、部長を務めながら文化祭などで活躍。「部活での経験を生かし、将来は教員になって豊山に戻るのが夢」と語ります。

青木教諭は「安藤君は様々なことに真面目に取り組み、『強く正しく大らか』に成長しました。学業という本分に部活動というスパイスが加わることで、経験の幅が広がり多角的な視点が生まれます。今後も部活動を通して、生徒の豊かな個性を伸ばすサポートをしていきたい」と述べています。