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今年1月、横浜市の前人事部長・久保田淳さん(49)が記者会見を開き、山中竹春市長(53)の暴言や中傷を公にした。現職の市幹部が市長の言動を実名で告発したことは、大きな反響を呼んだ。
久保田氏の告発内容と市長の認否
久保田氏が会見で主に訴えたのは、理不尽に怒鳴るといった山中市長の「パワハラの疑いのある言動」「市議、副市長らに対する暴言」など5項目。翌日には市長も会見を開いて説明したが、両者の主張には食い違いがある。
山中市長は、久保田氏との一対一の人事評価の場で幹部職員らを「ポンコツ」「おばさん」「頭が悪い」などと評したことを認めた。公開された「(部署を)飛ばされるかもしれないという恐怖を与える、人事部からのジャブを与えられないか」との音声も、自身の言と認めた。ただ、一部の暴言は「双方の言葉遣いとして、そのような表現があった」と語り、久保田氏側はその事実を否定した。
辞職を含む決断を迫る声も
一方、市議に「デブ」「2頭身」などと陰口を言ったとされることは「容姿や外見の中傷は行っていない」。気に入らない職員を「市長室出入り禁止」にしたとの訴えも、「人に着目して会わないことはない」などと打ち消した。
現在、弁護士3人が第三者調査委員となり、これらの事実認定と評価を進めている。月平均600万円と目される費用は市の負担だ。
新年度予算案を審議するための今年最初の市議会定例会でも、この問題への質問が相次いだが、山中市長は「調査対象の私が答弁申し上げることは適切でない」などと回答を避ける姿勢が目立った。3月には最大会派の自民党市議団の一人が「証拠が出て事実と認定された場合、辞職を含むそれなりの決断をするということか」と迫る場面もあった。
調査結果後は自らの言葉で説明を
調査への影響を理由に市長が答弁を控えたことで、7月をめどに示される結果の重みが相対的に増した。実施された幹部職員らへのアンケートには、自由記載欄があるという。もし新たな被害が発覚すれば、信頼は取り返しがつかないレベルまで失墜しかねない。
調査の公平性や独立性を守るため、答弁内容を限定することは一応理解できる。その分、調査終了後はどんな結果であれ、血の通った自身の言葉で、376万人の市民に十分な説明を尽くすよう求めたい。たとえ市長が当初説明したように、職員に「市民目線」が欠けていたとしても、なぜその暴言が必要だったのか、多くの市民が理解できていないと思うからだ。
「知的な能力、市民や子どもに対する思い、勤勉性、清廉潔白さに畏敬の念を持っている」(久保田氏)。「特に信頼していた職員の一人で、実行力や提案力は抜きんでていた」(山中市長)。それぞれの会見で互いを評価した言葉が耳に残る。ともに県外出身だが、縁あって同じ市民に仕え、この問題がなければ今も手を携えていたはずだ。口を開けた両者の間の深淵に、今夏、第三者調査はどんな一石を投じるか。



