R-18文学賞贈呈式で新潮コラム問題に言及、選考委員「とても悲しい」
R-18文学賞贈呈式、新潮コラム問題で選考委員が悲しみ

第25回女による女のためのR―18文学賞(新潮社主催)の贈呈式が1日、東京都内で開かれた。式では、選考委員らが「週刊新潮」のコラム問題に言及する一幕があった。

コラム問題の経緯

コラム問題は2025年7月、「週刊新潮」が掲載した高山正之氏の連載が発端になった。かつて日本が朝鮮人に日本式の姓名に改名するよう強いた政策から「創氏改名2・0」と題し、複数の実名を挙げて「日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」と記した。名指しされた一人が、女による女のためのR―18文学賞を受け、デビューした作家の深沢潮さんだった。

贈呈式での謝罪と約束

贈呈式の冒頭、あいさつに立った「小説新潮」編集長の西麻沙子さんは、「昨年、週刊新潮に掲載されたコラム記事に関して、新潮社は大きな批判をちょうだいした。本賞出身の作家の方の尊厳を大きく傷つけたこと、心から申し訳なく、本当にあってはならないことだと感じている」と言及。「今日ここに来てくださった歴代受賞者の皆様、そして本賞を応援し、心を寄せてくださる皆様のためにも、二度とこのようなことがないように取り組みを続けていくことを、この場を借りてお約束したいと思う」と話した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

選考委員窪美澄さんの言葉

選考委員として壇上に立った作家の窪美澄さんは、受賞者への言葉の後、「今日はお祝いの席なので、言わないでおこうかなとも思ったんですけど」と切り出した。「私は感情をパッと瞬間的に表すのが苦手で、何か出来事があるとつい口を閉じて、閉じこもってしまいます。けれど、あれからまた時間が過ぎて、私の中で起こった感情は大きな怒りではなく、どこかしんとした悲しみでした」と話した。

「一人の作家として、また子供の頃から新潮社の本に接してきた人間として、新潮社の本はもう買わない、もう読まないと、読み手の方から言われることはとても悲しいことです。そしてR―18文学賞からデビューされた深沢潮さんが大きな怒りと悲しみを体験されたことは、私にとっても身を切られるようにつらいことでした」と続け、「良き作品が書けるように作家と共に走り続けてほしい」と願いを述べた。

柚木麻子さんの退任

また、R―18文学賞の選考委員には、前回まで作家の柚木麻子さんも名を連ねていたが、今回は加わらなかった。複数の関係者によると、新潮コラム問題を受け、本人から退任したいとの申し入れがあったという。柚木さんは、問題をめぐって、4月に小説「BUTTER」の出版の権利を新潮社から引きあげたと発表している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ