神戸市室内管弦楽団が存続の危機 2027年度で補助金打ち切りへ
神戸市中央区の神戸文化ホールを拠点とする室内オーケストラ「神戸市室内管弦楽団」が、深刻な存続の危機に直面している。神戸市は、同楽団への補助金を2027年度を最後に打ち切る方針を決定した。現状では、楽団の事業収入のうち約7割が補助金で賄われており、この決定は楽団の運営基盤を揺るがすものだ。
補助金依存からの脱却を求められる楽団
神戸市室内管弦楽団は、公益財団法人の神戸市民文化振興財団が運営を担っている。市文化交流課によると、2025年度の楽団への補助金は約8700万円、2026年度は約8500万円の予定となっている。しかし、神戸文化ホールで年5回開催される定期演奏会の来場者は平均550人前後と伸び悩んでおり、集客力の向上が課題となっていた。
市側は、「将来的な収支構造の改善や集客増加のめどが立たず、自律的な運営が困難」と判断し、補助金廃止の方針を固めた。一方で、同じく神戸文化ホールを拠点とし、財団が運営する神戸市混声合唱団への補助金については、存続させる方針を示している。市は、3月19日の市議会経済港湾委員会で詳細を説明する予定だ。
楽団の歴史と改革の歩み
神戸市室内管弦楽団は、1981年に神戸室内合奏団として活動を開始。2018年には管弦楽団員を加え、現在の名称に変更された。2021年には、世界的なチェリストで指揮者の鈴木秀美氏を音楽監督に迎え、演奏レベルの向上や制作、広報の強化など、本格的な運営改善に取り組んできた。昨年12月時点での団員数は26人となっている。
しかし、今年2月に市が策定した外郭団体の改革方針では、楽団を運営する神戸市民文化振興財団が「重点的見直し対象団体」に指定され、「市民還元や民間代替性の視点を踏まえた事業の見直しが必要」と指摘されていた。この方針が、補助金打ち切り決定の背景にあるとみられる。
楽団関係者の反発と今後の見通し
楽団の今後のあり方については、3月27日に予定されている財団の理事会で協議される見込みだが、関係者からは補助金なしでの自主運営は困難との見方が強まっている。理事の一人は、「近年は大きく改革を進め、演奏に対する評価も集客数も上がっている中で、市は外郭団体の改革方針を突然出してきた。廃止ありきだと思わざるを得ず、神戸に文化をはぐくみ、子どもたちに音楽を届けようという考えが見えない」と憤りの声を上げた。
また、神戸文化ホールの中ホールについては、現在の大倉山エリアから神戸・三宮への建て替え・移転が決定している。市は、2028年春に大ホールとともに中ホールを閉館することを決めた。約350億円の事業費で建て替えられる大ホールは2028年春の完成予定だが、中ホールの完成は2030年以降の見通しで、空白期間が生じることになる。この移転計画も、楽団の活動環境に影響を与える可能性がある。
神戸市室内管弦楽団は、40年以上にわたって地域の文化振興に貢献してきたが、補助金打ち切りにより存続が危ぶまれる状況だ。今後の理事会での議論や、市との協議の行方が注目される。



