「こころMoji」浦上秀樹さん、横浜で個展 口で筆を操り平仮名を組み合わせ漢字に
「こころMoji」浦上さん横浜個展 口で筆操り平仮名組み合わせ

長い筆を口にくわえて複数の平仮名を描き、組み合わせて漢字をつくる「こころMoji」を手がける作家の浦上秀樹さん(53)=埼玉県春日部市在住=の個展が、横浜市中区の「トヨタハートフルプラザ横浜」で開かれている。浦上さんは難病を患うが「自分の人生経験を作品に投影できるのが楽しい」と話す。

420種類の「こころMoji」を製作

浦上さんは、これまで420種類の「こころMoji」を製作。同所での展示は11回目といい、多数の新作を含む21点を壁などに飾る。

例えば「笑」という漢字が題材の作品は、「み」「ら」「く」「る」の四つの平仮名で構成する。これを暖色系の絵の具で彩色。「楽しくて笑顔になることを何年も続けていき、周りの人に喜ばれるよう、光を発しながら生きていくだけでイイ」「笑っていると奇跡が起きるというのです」と解説を添えている。

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難病を乗り越えアートに挑戦

浦上さんは大学生だった21歳の時に筋力が低下する進行性の難病「遠位型ミオパチー」を発症。卒業後に一時は建築関係の会社に勤めたものの、数年で通勤が難しくなったことから自宅で図面を書く仕事に切り替えた。

「元々は芸術に全く興味がなかった」と浦上さん。しかし、37歳のときに通販サイトのおすすめに出てきた本を通じてこのアートの形を知り「パズルみたいで理系の血が騒いだ。短い言葉の中に『なるほど』と思わせられる要素が詰まっているのに興奮して、自分もやってみたくなった」と振り返る。

それ以来、毎日2、3時間創作に向き合い、腕を磨いてきた。まずは身近なところで目についた漢字を選び、意味と形の両方がぴったりと合う平仮名の用語を探す。浦上さんは「頭の中で当てはめていく工程が図面作成と似ている。1年くらいでどんどん(アイデアが)浮かぶようになった」と明かす。

筆を口にくわえて行う文字を描く工程と彩色は、元々、図面作成やスマホの操作も同様のやり方を取っていたために「すぐにできた」といい「今では発症前に手で書いていたときよりも字がうまくなった」と手応えを感じている。「解説を書くのは一番時間がかかる。自分の思っていることを文章にして展示するのは恥ずかしいけど、喜んでくれる人がいるのがうれしい」と話し、多くの人の来場を期待している。

展示概要

展示は6月6日まで。月、火曜は休み。午前10時から午後6時(最終日は午後4時まで)。浦上さんは最終日の正午以降に来場予定。鑑賞無料。

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