日本大学理工学部の学生が製作し、1977年に当時の人力飛行世界最長記録を樹立した人力飛行機「STORK(ストーク)」が、日本航空宇宙学会の「航空宇宙技術遺産」に認定された。この認定を記念し、30日に同学部船橋キャンパス(船橋市)で講演会が開かれ、卒業生や在学生ら約60人が当時の研究手法などに熱心に耳を傾けた。
ストークの開発と遺産認定
ストークは、同学部航空宇宙工学科の前身である機械工学科木村研究室の学生たちが卒業研究として設計、製作、飛行試験を行った機体だ。機体に和紙を用いるなど、日本独自の技術を採用した点や、学生たちの手で世界記録を打ち立てた点が高く評価され、今回の遺産認定に至った。
講演会の内容
講演会には木村研究室の卒業生らが登壇。1966年に日本初の人力飛行を成功させた「Linnet(リネット)号」のパイロットを務めた岡宮宗孝さん(82)や、ストーク開発のチームリーダーを務めた石井潤治さん(72)が、人力飛行機の技術や開発の裏話を披露した。
石井さんは「様々な葛藤を乗り越えて開発が成功し、飛行機が飛び立った時の喜びは今も昔も変わらない」と述べ、当時の熱意を振り返った。同大の人力飛行機研究は現在、航空研究会に引き継がれており、学生たちの挑戦は今も続いている。
日本人力飛行の歴史
日本大学の人力飛行機研究は1960年代に始まり、リネット号の成功を皮切りに、ストークの世界記録達成へとつながった。和紙や竹など伝統素材を活用した独自のアプローチは、軽量かつ強靭な機体を実現し、世界的な注目を集めた。
今後の展望
航空宇宙技術遺産への認定は、学生主体の研究がもたらした成果を後世に伝える重要な意義を持つ。学会は「学生たちの独創性と努力が航空技術の発展に貢献した」と評価している。今後も同大の航空研究会は、新たな記録や技術革新を目指して活動を続ける予定だ。



