ダウン症のアーティスト、大山輝楽里さんがロンドン・ファッション・ウィークに2年連続出演
神奈川県川崎市に住むダウン症のアーティスト、大山輝楽里(おおやま・きらり)さん(20)が、今年2月に開催された世界四大コレクションの一つ「ロンドン・ファッション・ウィーク」に、10代向けファッションブランド「LITTLE CAMDEN(リトル・カムデン)」のモデルとして2年連続で出演しました。さらに4月には、同ブランドの年間アンバサダーモデルに就任。大山さんは「夢を諦めない姿を見せたい」と意気込んでいます。
名前の由来と幼少期の活動
大山さんは生まれてすぐにダウン症と診断されました。「輝楽里」という名前には、両親の「ハンディキャップがあっても人生を楽しく過ごしてほしい」という願いが込められています。穏やかな性格で笑顔を絶やさず、「ぴったりの名前だね」と言われることも多いそうです。幼少期には、ダウン症の特徴である身体の柔らかさを生かして、健常児に交じってモダンバレエを始めました。また、幼稚園で習った茶道は小中学校でも続け、かわさき市民祭りでお点前を披露した経験もあります。これらの活動で身につけた姿勢の良さが、現在のモデル活動に役立っています。
表現活動への情熱
言葉で思いを伝えることは得意ではないものの、体を動かしての表現活動は大好きです。現在はチアダンスや手話ダンスに取り組むほか、TikTokなどのSNSに投稿する動画をスマートフォンに撮りためています。川崎市立田島支援学校高等部を卒業後、家族に「モデルになってランウェイを歩き、みんなに元気と笑顔を届けたい」と伝えました。母親が見つけたのが、性別や国籍、障害の有無を問わずファッションを楽しむ気持ちを後押しするブランド、リトル・カムデンのオーディションでした。緊張で思いをうまく伝えられなかったものの、デザイナーから「すごく輝いて見えた」と評価され、採用されました。
妥協しない努力家の姿勢
大山さんは「アーティスト」という肩書にふさわしく、やると決めたことには妥協せず、一生懸命取り組む努力家です。表現を磨く過程で涙を流すこともありますが、完璧な仕上がりを目指して突き詰めます。ファッション・ウィーク出演前には、衣装の魅力を観客にどう伝えるか、角度にこだわって鏡の前で練習を重ねました。
日常生活と今後の目標
普段は横浜市内の就労継続支援B型事業所で、生花の栽培から販売、ブーケ制作、配達まで幅広い作業に携わっています。フラワーアレンジメントの技術向上も目標の一つで、「お客さんに『ありがとう』『かわいいね』と言ってもらえるとうれしい」と笑顔を見せます。
ダウン症とは
ダウン症は、通常2本の21番染色体が3本存在する染色体の突然変異で、600~800人に1人の割合で発生するとされています。19世紀に初めて臨床報告した英国人の医師ダウン氏にちなんで名付けられました。21トリソミーとも呼ばれます。顔つきに特徴が出たり、知的・運動機能の発達が遅れたりすることがありますが、個人差が大きく、大山さんのように多彩な才能を発揮する人も多くいます。



