JA全農、2025年産米の集荷目標達成ならず 流通構造の変化が影響
全国農業協同組合連合会(JA全農)は3月30日、2025年産の主食用米に関する集荷数量の見通しを公表しました。それによると、集荷数量は208万トンとなり、生産全体の28%を占める見込みです。これは目標としていた30%には届かない数値であり、前年比で減少傾向を示しています。
流通構造の変化と集荷競争の激化
同連合会は、2024年産のコメ不足を契機として、民間企業や卸売業者との間で集荷競争が生じたことを指摘しました。この競争の結果、「これまでとは異なる流通構造が形成された」と分析しています。従来の取引パターンが変化し、市場における調達方法が多様化したことが、集荷率の低下に繋がったと見られています。
斉藤良樹代表理事専務は東京都内で行われた記者会見において、事業者間の過度な調達競争について言及しました。その競争が「価格の上昇や外国産米の輸入増加を招き、結果として2025年産米の消費減退に繋がった」と説明しています。価格高騰が消費者行動に影響を与え、国内産米の需要が鈍化したことが背景にあるとしています。
2026年産米に向けた新たな集荷目標
こうした状況を踏まえ、JA全農は2026年産米の集荷目標を設定しました。目標は生産量の30%に相当する213万トン以上とし、前年の反省を活かした集荷戦略を展開する方針です。具体的には、過度な競争を抑制し、安定した供給体制の構築を目指すとしています。
同連合会は、今後の課題として以下の点を挙げています:
- 流通構造の変化に対応した効率的な集荷方法の確立
- 価格安定を通じた消費者の信頼回復
- 外国産米との競争力を高める品質管理の強化
農業関係者からは、この発表を受けて、国内の米生産におけるJA全農の役割の再定義が求められる声も上がっています。持続可能な農業を維持するためには、生産者と消費者双方の利益を考慮したバランスの取れた政策が不可欠です。
今後の動向に注目が集まっていますが、JA全農は引き続き、国内農業の振興と食料安全保障の確保に尽力していく姿勢を示しています。関係各所との連携を強化し、2026年産米の集荷目標達成に向けて取り組むとしています。



