特産「折戸なす」奉納で豊作祈願 JAしみず研究会が久能山東照宮で
特産「折戸なす」奉納で豊作祈願 JAしみず研究会

静岡市清水区の特産品「折戸なす」の豊作を願う伝統行事が行われた。JAしみず折戸なす研究会は6月1日、久能山東照宮(静岡市駿河区)を訪れ、丁寧に育てられた折戸なすを奉納した。出荷のピークを迎える6月から7月を前に、関係者一同が今年の実りを祈った。

丸い形と甘みが特徴の折戸なす

折戸なすは、静岡市清水区折戸地区で栽培される在来種のナスである。その最大の特徴は、一般的なナスとは異なる丸い形状で、皮は柔らかく、果肉は濃厚な甘みを持つことで知られる。その品質の高さから、江戸時代には将軍家へ献上されるほどの名声を得ていた。また、「一富士、二鷹、三茄子」という初夢の縁起物として知られる「茄子」は、この折戸なすを指すという説が有力である。

復活から奉納の歴史

折戸なすは、一時は生産が途絶える危機に直面した。しかし、三重県の農業試験場に保存されていた種子を基に、JAしみず折戸なす研究会が2005年に復活させることに成功。翌2006年から久能山東照宮への奉納を開始し、以来毎年、収穫期前に豊作を祈願する恒例行事として定着している。

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深刻化する後継者不足

研究会や静岡市によると、近年、折戸なすの生産現場では後継者不足が深刻な問題となっている。2015年には9軒存在した生産農家は、現在では5軒にまで減少した。高齢化や担い手不足が影響しており、伝統野菜の存続が危ぶまれている。

奉納式に出席した研究会の桜田盛己会長は、「家康公にも献上した由緒あるナスです。この伝統を絶やさぬよう、これからも努力を続け、地域で生産を維持していきたい」と決意を新たにした。研究会では、後継者育成や消費拡大に向けた活動を今後も積極的に進める方針である。

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