「山の上ホテル 東京」2027年開業へ 文豪愛した歴史的ホテルが再生
「山の上ホテル 東京」2027年開業 文豪愛したホテル再生

川端康成や三島由紀夫、池波正太郎といった数多くの文豪に愛され、建物の老朽化を理由に2024年2月から休業していた「山の上ホテル」(東京都千代田区神田駿河台)が、新たに「山の上ホテル 東京」として2027年夏に再出発することが明らかになりました。旧山の上ホテルの名前を冠したこのホテルには、株式会社山の上ホテルが運営する名店「てんぷら山の上」の本店がテナントとして出店する予定です。6月6日からは結婚式の予約が、今秋には宿泊予約が開始されます。

創建当時のデザインを尊重しホテルとして存続

山の上ホテルは、米国人建築家ヴォーリズの設計により1937年に竣工した歴史的建築物です。2024年11月に隣接する明治大学がこの建物を取得し、外観を維持したまま必要な改修工事を行い、ホテル機能を継続させる方向で検討が進められてきました。

「山の上ホテル 東京」は、歴史的建築物や文化的価値の高い建物を未来に継承するレガシー活用事業を進める大手ゼネコン「竹中工務店」が、明治大学から建物を借り受けます。創建当時のデザインを尊重しながら、安全性を確保するために耐震設計と補強工事をやり直し、防水や空調などの基本性能を高めた上で、ホテルとして再生・活用していきます。

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旧山の上ホテルの1階入ってすぐのらせん階段など、デザイン的に象徴的な部分は残す方向で検討中。客室の一部は元々のデザインを継承し、レガシールームのような形で残す方向で検討されているとのことです。

「残ったことを伝えただけで涙を流される方も」

ホテルの運営は、京都市の任天堂旧本社社屋を活用したホテル「丸福樓」や、名古屋最古の料亭「河文」など、歴史的建築物のストーリーを重視したホテル・レストラン運営に取り組んできた「Plan・Do・See」が担当します。文豪が定宿としただけでなく、近くに多くの大学や出版社、古書店街があること、旧ホテルのロビーに書棚があったことなどにちなみ、挙式スペースは図書館を思わせる空間が用意される予定です。

新ホテルの延べ床面積は4586平方メートル、客室数は24室で、大小3つのバンケットルーム、レストラン、バーなどを備える予定。旧山の上ホテルの運営会社のもとで数多くの著名な職人を輩出してきた「てんぷら山の上 本店」も再オープン予定で、6日からは結婚式の予約が始まります。

竹中工務店の事業推進リーダー、鍵野壮宏さんは「建物の素晴らしさだけでなく、ホテルとしてのストーリーを継承していくことも重要です。ホテルが残ったことをお伝えすると涙を流される方もいらっしゃいます。このホテルを愛されてきた方々の思いを背負うプレッシャーや社会的な責任も感じながら取り組んでいます」と熱く語りました。

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