浜名湖のアサリ復活へ追い風!アマモ場再生がJブルークレジット認証を獲得
浜名湖アサリ復活へ追い風!アマモ場再生がJブルークレジット認証 (03.04.2026)

浜名湖の生態系再生に光明 アマモ場回復が国から正式認証

静岡県の浜名湖において、漁業振興と環境保全を目指す画期的なプロジェクトが大きな前進を遂げました。浜名漁業協同組合(浜松市中央区舞阪町)が推進するアマモ場再生事業が、先月中旬に国の認証機関から「Jブルークレジット」制度の正式認証を受けたのです。この認証は、海草分野では全国最大規模となる快挙として注目を集めています。

ブルーカーボン取引で持続可能な漁業を支援

Jブルークレジット制度は、藻場や干潟などが吸収した二酸化炭素(CO2)を「ブルーカーボン」として数値化し、取引可能なクレジットに変換する仕組みです。浜名漁協のプロジェクトでは、2025年1年間にアマモが639.9トンのCO2を吸収したと算出され、この分のクレジットを獲得することに成功しました。

クレジットの売却単価は1トン当たり5万円から11万円が目安とされており、企業や団体が購入することで、その分のCO2排出量を相殺したとみなされます。すでに静岡県西部のロータリークラブが購入を決めており、地域経済にも好影響を与え始めています。

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「海のゆりかご」再生がアサリ復活の鍵に

アマモは水質浄化の役割を果たすだけでなく、アサリをはじめとする小魚やエビ類の重要な生息場所を提供する「海のゆりかご」として知られています。かつて浜名湖内の各所に豊かに生育していたアマモ場は、2018年の大型台風によってほぼ壊滅状態に陥りました。

この影響でアサリの生息数も激減し、弁天島の潮干狩りは資源保護のため、今シーズンを含めて8シーズン連続で中止を余儀なくされています。浜名漁協のSDGsアマモ再生事業部会は、台風被害の直後からわずかに残ったアマモの種を採取し、苗に育てて植え付ける地道な再生作業を継続してきました。

地域一体となった環境学習と啓発活動

同プロジェクトでは、2017年時点のアマモ場を「ゼロ」基準として設定し、それからの回復度合いを詳細に調査・記録しています。環境学習プログラムにも力を入れており、地域住民や子どもたちを巻き込んだ取り組みが徐々に広がりを見せています。

活動の中心人物である徳増隆二部会長(70)は「アサリの復活を目指して再生活動を始めました。今回の認証獲得は非常に嬉しい成果です」と喜びを語ります。徳増さんはアサリ漁を「海のサラリーマン」と表現し、「浜名湖は安全な海域で燃料代もかからない理想的な漁場です。『海上サラリーマン』の復活に向けて、クレジット制度の啓発を進め、浜名湖を豊かな里海として次世代に引き継ぎたい」と熱い思いを明かしました。

行政も高く評価 持続可能な漁業モデルとして

先月下旬には、徳増部会長と浜名漁協の渥美敏組合長らが湖西市役所と浜松市役所を訪問し、それぞれの市長に認証取得を報告しました。湖西市の田内浩之市長は「長年にわたる地道な取り組みが実を結び、頭が下がる思いです」と賛辞を贈り、行政としてもこの成果を高く評価しています。

静岡県内では、県のコアマモと南駿河湾漁協のカジメに続く3例目のJブルークレジット認証となり、沿岸生態系の保全と持続可能な漁業の両立を目指す先進的なモデルケースとして、今後さらに注目を集めることが予想されます。

ブルーカーボンとは:沿岸や浅海の植物が光合成で吸収し、海底や深海に蓄積される二酸化炭素のことです。森林などが吸収する「グリーンカーボン」に対比する概念として、2009年に国連環境計画(UNEP)の報告書で初めて紹介されました。主な吸収源としては、海草や海藻の藻場、干潟、マングローブ林などが挙げられます。

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