静岡で早生品種の新茶初摘み 暖冬で生育順調、一足早い茶シーズン到来
2026年4月9日、静岡県の静岡市と島田市において、露地栽培の早生(わせ)品種の新茶の初摘みが実施されました。もえぎ色に輝く広大な茶畑では、摘み子たちが柔らかな新芽を一つひとつ丁寧に摘み取り、例年より少し早めに訪れた新茶シーズンの幕開けを告げました。
地元住民が手摘みする「近藤早生」の特徴
静岡市駿河区丸子にある松川茶園では、この地域で独自に育種された品種「近藤早生」の摘み取り作業が行われました。約30人の地元住民が参加し、手作業で新芽を収穫しました。「近藤早生」はインドアッサム種と「ヤブキタ」を交配させた品種で、花のような芳しい香りと濃厚なうまみが大きな特徴です。同園では2005年から傾斜地での栽培を開始しており、地域に根ざした茶作りを続けています。
暖冬と適度な雨が生育を後押し
今年の茶葉の生育状況は非常に良好です。3月中旬以降、暖かい日が続き、雨量にも恵まれたことで、雨が少なかった昨秋からの生育の遅れを完全に取り戻しました。茶葉は勢いよくぐんぐん伸び、霜の影響もほとんどありませんでした。松川茶園の園主、松川洋平さん(46)は作業を見守りながら、「いい芽がそろっている」と満面の笑みを浮かべ、収穫への期待をにじませました。
収穫から加工・出荷までの迅速な流れ
この日、松川茶園で収穫された生葉は約170キロにのぼります。収穫後はその日のうちにもんで荒茶に加工され、翌日には出荷される予定です。加工された新茶は4月11日から静岡伊勢丹(静岡市葵区)などで販売されます。松川さんは「煎茶でお茶のうまみを楽しんでもらいたい」と語り、消費者の皆様に最高品質の新茶を届けたいという思いを強調しました。
新茶シーズンへの期待と地域の取り組み
新茶の初摘みは、単なる農作業ではなく、地域全体で春の訪れを祝う伝統的な行事でもあります。摘み取られた新芽は運搬用のかごに集められ、茶畑から工場へと運ばれていきます。この早生品種の収穫を皮切りに、静岡県内では本格的な新茶シーズンが始まります。地域の農家や関係者は、品質の高いお茶を生産し、国内外の消費者に提供することで、静岡茶のブランド価値をさらに高めていくことを目指しています。



