原油高騰が九州経済に直撃、マンゴー農家から漁業者まで経営圧迫
原油高騰で九州経済直撃、農家や漁業者が経営圧迫

原油高騰が九州経済に直撃、農家から漁業者まで経営圧迫

中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰が、九州地方の経済に深刻な影響を及ぼしつつある。関係者は不透明な国際情勢に不安を抱えながら、一日も早い事態の収束を切に願っている。

マンゴー農家の苦悩:重油価格が約2割上昇

宮崎市でマンゴーを栽培する農家の緒方広秋さん(82)は、3日、農業用ハウス内でため息を漏らした。「これだけ重油が高くなるのは初めてだ」と語る緒方さん。ハウスは計50アールあり、今月から出荷が始まり、シーズンが終わる7月頃まで常時26度に保つ必要がある。しかし、加温に必要な重油の価格は昨年より約2割も高騰しており、経営的に厳しい状況が続いている。「燃油高の影響が大きい。経営的に厳しいが、耐えるしかない」と、緒方さんはこぼす。

漁業者も燃油高にあえぐ:遠洋マグロ漁に打撃

遠洋マグロ漁が盛んな鹿児島県いちき串木野市の漁業者たちも、燃油価格の高騰に頭を悩ませている。1回の航海は約10か月間に及び、海外の港で3回ほど燃料を補給する必要がある。はえ縄漁を営む水産会社「串木野まぐろ」によると、国内の燃油代は政府の補助により1キロ・リットル当たり約10万円だが、南アフリカでは円安の影響も加わり、同35万円と大幅に高騰している。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

同社の上夷和輝社長(56)は、「1日当たりの経費が倍以上となり、みんな頭を悩ませている。中東情勢が早く落ち着いてほしい」と訴える。燃油価格の上昇が漁業経営を圧迫し、持続可能な操業が危ぶまれている状況だ。

交通事業者の懸念:燃料調達に苦慮

交通事業者や運輸業者からも、燃料価格高騰に対する懸念の声が上がっている。グループで日本最大級となる約2400台のバスを保有する西日本鉄道(福岡市)は、3月中旬に試算を明らかにし、同月だけで約6000万円、年間で3億~4億円程度の支出増が見込まれると報告した。

佐賀市では、3月25日に4~6月分の市営バスの燃料である軽油の入札が行われたが、不調に終わった。市交通局は4月から1週間ごとに随意契約で調達を試みているが、3週目以降の契約は成立しておらず、担当者は「最悪の場合、ガソリンスタンドで給油する可能性もある」と危機感を募らせている。

原油高騰は、九州の農業、漁業、交通など多岐にわたる分野に影響を及ぼし、地域経済全体に重い課題を突きつけている。関係者は、国際情勢の早期安定を願いながら、厳しい経営環境に耐える日々を送っている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ