瀬戸内海のカキ養殖で深刻な大量死、原因は複合的な環境要因
瀬戸内海において、養殖カキの大量死問題が深刻化している。広島県庁で開催された有識者会議では、この事態の原因として海水の高水温や高塩分、酸欠(酸素不足)、小雨による餌不足が複合的に作用したと結論づけた。会議は3月25日に実施され、1月に続く2回目の開催となった。
「まるで災害級」の被害、現場では養殖方法の見直しが進行
大量死は昨年10月ごろから確認され、一部海域では水揚げしたカキの9割が死んでいたという。県水産課によれば、年明け以降は状況がやや改善しているものの、依然として警戒が必要な状態が続いている。会議では、赤潮や感染症など他の可能性も検討されたが、最終的には県が以前から指摘してきた4つの環境要因が主要因と判断された。
浜口昌巳・福井県立大学教授は、「温暖化で海の栄養が減少する中、現在の養殖方法が持続可能かどうか議論する必要がある」と述べ、養殖環境の抜本的な見直しを訴えた。また、過密養殖による餌不足を指摘する声も会議で上がり、養殖場が従来の河口付近から沖合に拡大したことで栄養分が行き届かなくなった可能性が示唆された。
漁業関係者が養殖量削減を検討、持続可能な対策へ
広島県呉市のカキ養殖業者「山根水産」の山根周志社長は、「過密養殖は大量死と無関係ではない。段階的に養殖量を減らす必要がある」と強調し、地元漁協では養殖量の削減を検討し始めている。県水産課では、定期的な海水観測と警報システムの導入案も浮上しており、担当者は「海の環境は地域によって異なるため、まずは養殖業者の意見を聞きたい」と話している。
この問題は、瀬戸内海の水産資源管理と気候変動への適応を考える上で重要な課題となっており、今後の対策が注目される。



