能登の酒造りを継承する全国の連携、百貨店で復興の日本酒を販売へ
能登半島地震により酒蔵や店舗を失った蔵元の日本酒が、この春、百貨店の店頭に並びます。全国の蔵元が手を貸し、仕込みに協力した成果であり、合言葉は「能登の酒を止めるな!」です。復興へと踏み出した酒は大丸松坂屋百貨店で4月から販売され、杜氏らも店頭に立つ予定となっています。
鶴野酒造店の壊滅的な被害と再出発への決意
「何もかもが潰れてしまった。もう酒造りはできないなと思った」。石川県能登町の鶴野酒造店、14代目の鶴野晋太郎さん(36)はそう振り返ります。1789年創業の老舗を、2024年元日に震度6強の揺れが襲い、酒蔵と店舗が全壊しました。鶴野さんは自宅も失うという深刻な状況に陥りました。
しかし、再出発を決めたきっかけは、倒壊した酒蔵の中から、代表銘柄「谷泉」の一升瓶222本を無傷で見つけたことでした。この発見が鶴野さんを救い、復興への希望を繋いだのです。鶴野酒造店には全国の蔵元から手が差し伸べられ、共同醸造プロジェクトが始動しました。
全国の蔵元が結集した共同醸造プロジェクトの詳細
このプロジェクトでは、被災した能登の蔵元と、支援を申し出た全国の酒蔵が連携し、伝統の味を守りながら新たな酒を醸造しています。具体的には、以下のような取り組みが行われています。
- 技術や設備を共有し、能登の酒造りを継続するための環境を整備。
- 原材料の調達から仕込みまで、複数の蔵元が協力して作業を実施。
- 品質管理を徹底し、被災前と同等以上の味わいを追求。
こうした努力の結果、鶴野酒造店の「谷泉」をはじめとする銘柄が、大丸松坂屋百貨店で4月から販売される運びとなりました。販売時には、杜氏や関係者が直接店頭に立ち、復興のストーリーを伝える予定です。
復興支援の広がりと今後の展望
能登半島地震からの復興は、日本酒業界全体の連帯によって支えられています。この共同醸造プロジェクトは、単なる商品販売ではなく、地域の文化と産業を守るための重要な一歩です。消費者からの支持が集まることで、被災地の経済再生にも貢献することが期待されます。
今後も、全国の蔵元との協力関係を深化させ、能登の酒造りを未来へと繋いでいく方針です。復興の日本酒が、多くの人々に希望と勇気を与える存在となることを願っています。



