尼崎市、冷蔵機能付き無人販売機を駅に設置へ 「あまやさい」消費拡大で都市農業を支援
尼崎市、冷蔵無人販売機を駅に設置 「あまやさい」消費拡大

尼崎市、冷蔵機能付き無人販売機を駅に設置へ 「あまやさい」消費拡大で都市農業を支援

兵庫県尼崎市は、地元産野菜「あまやさい」の消費拡大を目指し、冷蔵機能付きの無人販売機を年内にも市内の2駅に設置する計画を明らかにした。これまで公共施設に設置されていた常温型販売機では、特に夏場の鮮度保持に課題があったため、より新鮮な状態で消費者に届けることで、地産地消の促進と地元産野菜のブランド価値向上を図る。

販売機の導入背景と現状

販売機は、都市農業の担い手に新たな販路を提供するため、東京都練馬区などの事例を参考に、市が2023年に導入した。現在は立花南と大庄北の生涯学習プラザに2台ずつ設置されており、コインロッカー型で1台あたり18個の野菜スペースを備える。販売は市内の「認定農業者」が担い、福祉事業所が収穫や袋詰めなどの作業を請け負う「農福連携」にも貢献してきた。

市によると、格安で購入できる点が好評で、年間約80万円の売り上げを記録している。しかし、常温型では夏場を中心に鮮度保持が難しく、保冷剤や凍らせたペットボトルを併用するなどの工夫を凝らしてきたものの、葉物野菜が傷むケースもあった。このため、市は「安心安全なあまやさいのブランド維持に対策が必要」と判断し、冷蔵機能付き販売機の導入を決定した。

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新たな設置先と期待される効果

新たな設置先として、市は鉄道駅に注目している。知名度向上に効果が大きいとして、街の玄関口であるJR尼崎駅と阪神尼崎駅での受け入れを協議中だ。設置費や電気代などには2026年度予算で360万円を確保しており、農家側も歓迎の意を示している。

販売機にトマトや水菜、小松菜などを提供してきた「小寺農園」の小寺清隆さん(42)は、「冷蔵機能があれば、採れたてのみずみずしさを保てる。これによりあまやさいのファンが増え、農場での直売にも足を運んでもらうきっかけになることを期待している」と語る。

都市農業の課題と今後の展望

尼崎市内の農地は約75ヘクタール(2025年1月現在)だが、農家の高齢化が進み、過去5年間で約10ヘクタール減少している。市は離農の食い止めに向け、収入を安定させる施策を模索しており、新たな販売機がその一環となる。

市農政課の新谷さやか課長は、「農地には、防災面や収穫体験を通じた交流、生物多様性といった環境保全の役割も大きい。新たな販売機があまやさいの広告塔となり、都市農業への理解や応援が広がることを願っている」と述べ、地域全体での支援を呼びかけている。

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