三重・亀山市の倉田商店、地域密着75年 鮮魚店の伝統と対面販売の温かさを守り続ける
倉田商店75年 地域密着の鮮魚店が愛される理由 (04.04.2026)

三重・亀山市の老舗鮮魚店、75年の歴史を刻む倉田商店の挑戦

朝早く、名古屋市内の市場から仕入れたばかりの新鮮な魚介類が店頭にずらりと並ぶ。サバにイワシ、季節の魚が色とりどりに陳列される。野菜も扱う亀山市の「倉田商店」は、鮮魚店そのものが珍しくなった現代においても、変わらぬ営業を続けている。地域に根差してから四半世紀を超える75年。4代目店主の安藤良治さん(77)は確かな信念を語る。

「良いものを少しでも安く仕入れて、お客様に喜んでいただくのが私たちの主義です。周囲にスーパーが増えて厳しい状況ですが、これからも頑張りたいと思います」

温かい接客と対面販売に込められた思い

店内に響き渡る「いらっしゃーい」という大きな声は、安藤さんの妻である国子さん(76)によるものだ。魚料理に精通しており、煮付けや塩焼き、竜田揚げなど様々な調理法を分かりやすくアドバイスする。客の希望に応じて魚の切り分けにも快く応じ、持ち前の人当たりの良さで人生相談を受けることさえある。

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「こういう対面販売の魚屋はもうほとんどありません。だからこそ、私たちの店でその良さを味わってほしいのです」と国子さんは語る。結婚してから半世紀にわたり店を支えてきた彼女の言葉には、深い愛情が込められている。

鮮度と技が光る調理場、家族一丸の営業

活気あふれる調理場では、長男の良太さん(49)が包丁を握り、刺し身を切って美しく盛り付けていく。客の好みを把握した上で仕上げる刺し身の盛り合わせは店の人気商品だ。時期や内容によって価格は変動するが、1人前800円から注文を受け付けている。

魚の仕入れも良太さんが担当。毎朝市場で旬の魚を探し回り、質にこだわって厳選する。「同じアジでも品質には差があります。こだわって選んだ魚を食べて、その違いを分かってくれるお客様がいることが何よりの喜びです」と笑顔で話す。仕入れ値は時期や漁獲量で変動するが、店頭価格を大きく変えないよう経営努力を続けている。

良太さんの妻である里絵さん(34)も店を手伝い、家族一丸となって営業に当たっている。

75年の歴史と地域に愛される理由

倉田商店の創業は1951年。当初から鮮魚店として営まれてきた。1988年には店舗拡大のため、同市本町から現在の北町に移転。地元の常連客を中心に、滋賀県や名古屋市など県外からの客も多く訪れる。

国子さんは感慨深げに語る。「お客様も親から子へ、世代を超えて来てくださいます。店を愛してくれる方がいるからこそ、『なくしたらあかん』という思いで続けられるのです」

亀山市北町9の11に位置する倉田商店の営業時間は午前10時半から。魚は午後1時半から並び始める。日曜・祝日は定休日となっている。人気商品のネギトロは2日前までの予約が望ましい。連絡先は0595-82-0362。

地域密着で75年。倉田商店は、大量消費が主流の現代において、対面販売の温かさと新鮮な魚介類を提供し続ける貴重な存在として、これからも地域に愛され続けるだろう。

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