茨城の高糖度ミニトマト農場2社が破産 負債総額は約47億円に
帝国データバンク東京支社の発表によると、高糖度ミニトマトの栽培・販売を手がけていた「Kアグリ茨城」と関連会社の「Kアグリ稲敷」の2社が、東京地裁から破産手続き開始決定を受けたことが明らかになった。決定日は4月1日付である。
負債額はKアグリ茨城が約28億円、Kアグリ稲敷が約19億円
両社の負債額は合計で約47億円にのぼる。内訳はKアグリ茨城が約28億円、Kアグリ稲敷が約19億円となっている。帝国データバンクは、今後この金額が変動する可能性があるとしている。
独自技術で高糖度トマトを栽培も、経営悪化で農場稼働停止
Kアグリ茨城は、2017年に高糖度フルーツトマト事業を展開する企業の出資を受け、「オスミックアグリ茨城」として設立された。茨城県つくば市の栽培ハウスでは、高密度微生物有機培土などを活用した独自の栽培技術により、高糖度フルーツミニトマトを生産していた。グループ企業への販売を行い、2020年4月期の売上高は約1億800万円を記録していた。
一方、Kアグリ稲敷は2019年に「オスミックアグリ稲敷」として設立され、茨城県稲敷市のハウスで糖度の高いミニトマトの生産・販売を手がけていた。2022年3月期の売上高は約300万円だった。
高温設定が裏目に 良品率低下と病害で業績悪化
両社の経営悪化の背景には、栽培上の問題が大きく影響している。グループ全体のトマト栽培において、ハウス内の温度を高めに設定して生育を促進したところ、かえって良品率が低下してしまった。さらに2022年ごろには苗の病害が発生し、夏の猛暑も重なったことで、収穫量と良品率が大幅に減少した。
この結果、出荷量を十分に確保できなくなり、業績が低迷。経営難に陥った両社は現商号に変更し、昨年中には農場の稼働を停止していた。独自の技術で高品質なトマトを生産していた両社であったが、環境要因と経営戦略のミスマッチが破綻につながった形だ。
茨城県を拠点とした農業法人の破産は、高付加価値農業の経営リスクを浮き彫りにする事例となった。気候変動の影響を受けやすい農業分野において、持続可能な経営モデルの構築が改めて問われる結果となっている。



