大河ドラマで脚光を浴びる和歌山城、春の観光スポットとして静かな人気
NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放送が続く中、豊臣秀吉の命で弟・秀長が築いた和歌山城(和歌山市)が、春の観光シーズンに静かな話題を呼んでいます。桜に囲まれた城周辺では、地元の食文化を楽しむ観光客の姿が目立ち、特に多彩な地魚をふんだんに使った「松花堂弁当」が人気を集めています。
地元食材にこだわる名店「田舎茶屋 や万志多」の松花堂弁当
和歌山城の南東に位置する「田舎茶屋 や万志多(ました)」は、2009年の開店以来、季節の地魚や野菜、地酒に徹底的にこだわり続ける名店として知られています。平日昼限定で提供される「松花堂弁当」(3000円)は、旬のお造り、焼き魚、天ぷら、炊き合わせ、香の物などが彩り鮮やかに盛りつけられ、すぐに売り切れることもあるほどの人気メニューです。
この時期の造りは、カツオとアオリイカが中心。紀南の沖合では、3月から5月にかけてひき縄漁「ケンケン漁」が最盛期を迎え、黒潮を北上する初ガツオを擬餌針で狙います。活け締めして水揚げされるため、鮮度と味が抜群に良いのが特徴です。
しょうゆを少しつけて味わうと、あっさりとした味わいで、イカともちもちの食感が絶妙に調和。エビの天ぷらは衣がサクサクと軽やかで、焼き魚のサワラやカブの酢の物など、一口ごとに変化する味わいに箸が止まりません。みそ汁とご飯はおかわり無料で、満足感を高めています。
店主のこだわり:和歌山の食材を端から端まで集める
店主の山下正春さん(56)は、父親が営む和食処で修行を積み、京料理が得意な板前の下で腕を磨きました。山下さんは「今の時期ならタチウオやイカ、ヒラメにマグロなど、漁師から直接買い付けるほか、熊野牛やタケノコ、果物など、和歌山の端から端まで食材を集めています」と胸を張ります。この地元愛が、弁当の多彩な味わいを支えています。
創業560余年の老舗「総本家駿河屋善右衛門」の羊羹
店を出て和歌山城の北側へ向かうと、創業560余年を誇る老舗和菓子店「総本家駿河屋善右衛門」があります。ここでは、豊臣秀吉の茶会の引き出物に用いられたと伝えられる蒸し羊羹が有名です。贈答用のネット通販も行われていますが、店頭では一口サイズの羊羹「美似芭里絵(みにばりえ)」(238円)が一品から購入できます。上品な甘さが特徴で、城下の散策のお供にぴったりです。
観光情報とまとめ
和歌山城周辺では、大河ドラマの影響で観光客が増加しており、地元の食文化を楽しむ旅が注目されています。「田舎茶屋 や万志多」は午前11時から午後2時半(ラストオーダー午後2時)、午後5時半から10時(同午後9時)まで営業し、月曜定休です。「総本家駿河屋善右衛門」は午前9時から午後6時まで営業していますが、臨時休業があるため、詳細はホームページで確認することをお勧めします。
国内外の総支局長が地域の自慢の味を紹介するこのシリーズでは、和歌山の豊かな食材と伝統が、春の観光を彩る貴重な体験として語り継がれています。松花堂弁当と老舗羊羹で、和歌山の春を満喫してみてはいかがでしょうか。



