聖橋から始まる鉄道と文化の散歩道
JRと東京メトロの御茶ノ水駅(東京都千代田区・文京区)を出ると、すぐに神田川をまたぐ聖橋が目に入ります。橋の東側を見下ろすと、高層ビルの間を縫うように流れる川の水面がきらめき、遠くには緑色の鉄道橋が望める風景が広がっています。
鉄道ファン憧れの撮影スポット
聖橋は、鉄道愛好家の間で長年親しまれてきた絶好の撮影ポイントです。タイミングが合えば、オレンジ色のJR中央線、黄色のJR総武線、そして赤い東京メトロ丸ノ内線が、神田川の上で立体的に交差する稀有な光景をカメラに収めることができます。その瞬間を逃すまいと、多くの人々がスマートフォンや本格的なカメラを構えて待機しています。記者も長時間の待機を覚悟していましたが、幸運にもわずか5分ほどで理想的なショットの撮影に成功しました。
江戸総鎮守・神田明神へ
聖橋を渡って北へ少し進むと、緩やかな坂の先に荘厳な門が姿を現します。ここが江戸時代から「江戸総鎮守」として親しまれてきた神田明神です。作家・野村胡堂の代表作「銭形平次捕物控」ゆかりの神社としても広く知られています。普段は静かで落ち着いた雰囲気が漂っていますが、2年に1度開催される盛大な神田祭の時期には、熱気と活気に包まれることで有名です。
社殿の横に建てられた小屋には、神社のアイドル的存在である神馬・あかりちゃんが暮らしています。2010年生まれの芦毛のポニーで、その穏やかな目元や静かに餌を食べる姿に、多くの参拝客が心癒やされているのです。
作詞家の世界に触れる阿久悠記念館
聖橋を戻って駅の南側へ向かうと、明治大学駿河台キャンパスが広がっています。その一角にある「阿久悠記念館」は、同大学卒業生であり、日本を代表する作詞家・作家である阿久悠さんの遺族が寄贈した貴重な資料を所蔵する施設です。
自筆原稿をはじめとする関連資料は約1万点にのぼり、入り口には歌謡曲からアニメソングまで、時代を彩った99枚のレコードジャケットが展示されています。阿久さんが生涯に手がけた5千曲以上の作品のうち、これはごく一部に過ぎないといい、その膨大な創作量には驚かされるばかりです。
館内では「北の宿から」「勝手にしやがれ」など、日本レコード大賞を受賞した際の輝かしいトロフィーと盾も展示されており、訪れる人々に深い感動を与えています。
【情報】阿久悠記念館は入館無料です。問い合わせは明治大学史資料センター(電話03・3296・4448)まで。



