機織り工場を再生、阿久比の魅力発信 d news aichi agui
機織り工場再生、阿久比の魅力発信 d news aichi agui

愛知県阿久比町に、かつて機織り工場だった建物を再生した複合施設「d news aichi agui」(ディ・ニュース・アイチ・アグイ)がある。のこぎり形の屋根と北側の高窓から差し込む柔らかな光が特徴で、明るく開放的な空間が訪れる人々を包み込む。

工場の面影を残したリノベーション

この施設は、阿久比町出身のデザイン活動家ナガオカケンメイさん(61)が中心となり、2021年に開設された。もともとは伝統工芸品「知多木綿」の工場だった建物を、クラウドファンディングで集めた資金を活用してリノベーション。トタン張りの外壁やのこぎり屋根など、往時の面影を残しつつ、新たな役割を与えている。

地域密着の複合施設

施設内には、みりんや酢、日本酒などの地場産品を販売するコーナーや、地元の卵や野菜を使ったカフェを併設。阿久比の魅力と個性を発信する拠点として位置づけられている。また、人と人とのつながりを生み出す公民館のような役割を目指し、無料で使えるテーブルも設置。地域住民の交流の場としても活用されている。

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ナガオカケンメイさんの思い

ナガオカさんは3歳から高校卒業まで阿久比町で過ごし、その後東京で活動。長く愛される「ロングライフデザイン」をテーマに、生活雑貨などを販売する「D&DEPARTMENT」を創業し、国内外に15店舗を展開する。d newsは地域密着型の形態で、国内ではaguiが1号店となる。

開設のきっかけは、2019年に帰郷した際、変わらない町の景色に感動したこと。「地元の人には当たり前な文化や、何もないと思うことにも価値がある」とナガオカさんは語る。知多半島で盛んな醸造文化を生かした赤酢「あかすしす」の企画なども手がけ、地域資源の再発見に努めている。

空き家再生への取り組み

現在は、町内の空き家を改修し民泊施設などに生まれ変わらせるプロジェクトにも取り組んでいる。2026年5月には、空き家に保管されていた陶器などを次の持ち主につなげようと「あぐいぶんかがらくた市」を開催。「昔ながらの建物は町の風情の一部。空き家を次の使い道に生かす文化を広めて、ふるさとの『らしさ』を守りたい」と力を込める。

施設内では、展示されている機織り機を使ったワークショップも不定期で開催。知多木綿を使ったコースターなども販売され、訪れる人々に地域の伝統を身近に感じさせる。

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