九州への外国人入国者数が過去最高を更新、581万人に到達
九州運輸局は3月25日、2025年の九州への外国人入国者数(確定値)が前年比16.1%増の581万人となり、過去最高を記録したと発表しました。この数字は、コロナ禍前の2018年に記録した従来の最高値である511万人を70万人上回るもので、九州の観光業界にとって大きな追い風となっています。
円安と国際線の拡大が成長の要因
今回の記録的な増加の背景には、円安の進行と国際線の新規就航や増便が大きく寄与しています。特に、九州と東アジアの都市を結ぶ路線では、複数の航空会社が新たな便を開始し、訪日客の利便性が向上しました。これにより、観光需要が着実に回復し、地域経済に好影響を与えています。
国・地域別の内訳と特徴
国・地域別では、韓国が前年比9.6%増の270万人で、全体の4割超を占め、最も大きなシェアを握りました。次いで、中国が36.0%増の125万人、台湾が27.9%増の81万人と続いています。台湾からの入国者数は、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出に伴う定期便の増加により、2018年と比較してほぼ2倍に拡大しました。
一方、中国からの入国者数は、2018年の170万人と比べると26.3%減少しています。これは、クルーズ需要の停滞が主な要因と見られており、直近では日中関係の悪化も影響している可能性があります。実際、2025年12月の中国からの入国者数は2万人と、前年同月と比べてほぼ半減しました。
観光業界からの声と今後の課題
このような状況を受け、福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合からは、「宿泊客の国・地域の偏りを分散させるための施策を講じる必要がある」との意見が上がっています。特定の地域に依存しすぎることは、観光業の持続可能性にとってリスクとなり得るため、多様な市場開拓が求められています。
2026年2月の速報値も好調
九州運輸局が合わせて発表した2026年2月の全体の入国者数(船舶観光上陸者数を除く速報値)は、前年同月比22.9%増の44万人で、2月として過去最高を記録しました。国・地域別の詳細は公表されていませんが、中国からの減少分を韓国など他の地域が補ったと推測されています。
九州の観光業は、国際的な環境変化に柔軟に対応しながら、さらなる成長を目指す段階にあります。今後の動向に注目が集まります。



