大和ミュージアムが4月23日に再オープン 総事業費47億円で大規模改修実施
広島県呉市の大和ミュージアム(市海事歴史科学館)が、大規模改修工事のため昨年2月から休館していましたが、4月23日に再オープンすることが決定しました。総事業費は47億1000万円に上り、トイレや空調、エレベーターなどの設備を全面改装。混雑緩和を目的として、玄関ホールにあったグッズショップを新たな建物に移転させました。
展示品が約300点増加 実物展示やデジタル映像を充実
展示品は約300点増え、合計約2100点に拡充されました。内容も大幅に刷新されており、特に3階では航空機のプロペラやエンジン、蒸気機関などの実物を多く展示。これまで船舶の建造工法を中心に紹介していたスペースが、より多様な海事技術を体感できるエリアへと生まれ変わります。
1階の大和コーナーでは、乗組員の戦没者名簿や手記、手紙などをデジタル画像で映し出す仕組みを導入。来場者が歴史的資料に触れやすくする工夫が施されています。
戦艦「大和」の模型も修復 菊の紋章を史実に基づき交換
施設の象徴である戦艦「大和」の10分の1模型(全長26.3メートル)も、船体の色を塗り直し、小さな傷を修復しました。特に注目すべきは艦首の菊の紋章で、直径15センチから10センチのものに交換されています。
この変更は、2016年の潜水調査で、従来1.5メートルと思われていた紋章の実際のサイズが1メートルと判明したことに基づくものです。史実に忠実な展示を追求する姿勢が窺えます。
新たにミュージアムショップ棟を建設 来場体験を向上
土産物を買い求める客で玄関ホールが混雑していた課題に対応するため、「ミュージアムショップ棟」(約150平方メートル)を新たに建設しました。これにより、展示鑑賞の流れがスムーズになると期待されています。
また、玄関壁面には大型画面を設置し、企画展や館内の様子を映像で紹介。来場者が展示物を実際に目にする前に、期待感を高められるような仕掛けも用意されています。
設備の老朽化に対応 トイレや空調を最新化
経年による設備の老朽化に対処するため、全面改装が実施されました。トイレの便器は2基増やして最新の26基にし、空調機能は従前より1.7倍に強化。照明も発光ダイオード(LED)に替えられ、館内全体が明るく快適な空間へと生まれ変わりました。
再オープン日は、21年前の開館時と同じ4月23日に合わせられており、歴史的節目を意識したスケジュールとなっています。
来場者数は累計1690万人 県外からの訪問者が8割
大和ミュージアムは2005年4月23日に開館し、オープン初年度には約161万4000人が来場。コロナ禍の2021年度には約25万1000人まで落ち込みましたが、昨年の休館までに累計約1691万1000人が訪れ、広島県内有数の集客施設としての地位を確立しています。
2024年度のアンケートでは、来場者の約8割が県外から訪れており、若年層から高齢者まで幅広い年代が偏りなく来館していることが明らかになりました。
国際的な海事博物館を目指す 呉市長が意気込み語る
今後は国際的な海事博物館を目指していく方針で、呉市の新原芳明市長は「世界トップの海事博物館になるので、世界中の人に見に来てもらいたい」と意気込みを語っています。海外からの観光客誘致にも力を入れる考えです。
大和ミュージアムは、明治以降の呉市の歴史と、近代化の礎となった造船や鉄鋼などの科学技術を紹介。ものづくりの歴史や平和の尊さを認識してもらうことを目的としており、再オープン後もその使命を果たしていく見込みです。



