1月の訪日外国人、4年ぶりの減少に 中国客の大幅減がインバウンドを押し下げる
日本政府観光局が2月18日に発表した統計によると、2026年1月の訪日外国人(インバウンド)は359万7500人を記録した。これは前年同月と比較して4.9%の減少を示しており、新型コロナウイルスの影響があった2022年1月以来、実に4年ぶりとなるマイナスとなった。
中国からの訪日客が60.7%も急減
特に顕著なのは中国からの訪日客の減少である。1月の中国からの訪日客は38万5300人と、前年同月比で60.7%もの大幅な減少を記録した。この急減が全体の数字を押し下げる主要因となった。
背景には、昨年11月の高市早苗首相による台湾有事に関する答弁に対して中国が強く反発し、日本への渡航自粛を繰り返し呼びかけていることが影響していると見られている。政治関係の悪化が観光交流に直接的な影を落とす形となった。
国・地域別では韓国と台湾が増加も
国・地域別の内訳をみると、最も多い韓国が117万6千人(前年同月比21.6%増)と堅調な伸びを示し、台湾も69万4500人(同17.0%増)と増加傾向にある。しかし、中国に加えて香港(17.9%減)、マレーシア(3.3%減)も前年同月を下回り、アジア地域における訪日客の動向にばらつきが見られる。
また、旧正月(春節)の時期の違いも影響している。前年は1月下旬に始まった祝日が、今年は2月中旬開始となったため、1月の比較では中国を中心とした訪日客の動きが鈍化した側面もある。
インバウンド産業への波及が懸念される
中国からの訪日客の急減は、ホテルや百貨店、免税店などインバウンド関連産業に直接的な影響を与えている。実際に、中国人客の減少を理由に休業を余儀なくされるホテルも現れており、春節期間中にもかかわらず異例の静けさが続いている地域もある。
一方で、韓国や台湾など他の国・地域からの訪日客が増加していることから、全体としての落ち込みはある程度カバーされている状況だ。しかし、中国市場の重要性を考えると、今後の動向が注目される。
観光業界関係者からは「3月までは影響が続く可能性がある」との見方も出ており、政治情勢と観光需要の連動性が改めて浮き彫りとなる結果となった。



