愛知県内の全交番・駐在所で手話通話サービスが導入 聴覚障害者らの通報を支援
愛知県警は、県内にあるすべての交番と駐在所において、手話通訳を介した電話サービスを2月から導入しました。この取り組みにより、聴覚や発話に障害がある方が警察官不在時に訪れた場合でも、手話で最寄りの警察署と通話してやりとりできるようになりました。サービスは、一般財団法人「日本財団電話リレーサービス」が提供する電話リレーサービスを活用しています。
サービスの仕組みと利用方法
サービスでは、聴覚障害者らがビデオ通話を通じて手話や文字で内容を伝えると、手話通訳オペレーターが交番を所管する警察署の職員と通話し、その内容を伝える仕組みです。これまで、交番や駐在所には警察官の不在時に備えて署に連絡できる電話が設置されていましたが、音声通話が難しい人は出直すか、勤務員が戻るのを待つしかありませんでした。
新サービスでは、交番や駐在所に設置された案内板に印刷された専用のQRコードをスマートフォンで読み込むことで、オペレーターとのビデオ通話が開始されます。通話料は愛知県警が負担するため、利用者に金銭的負担はかかりません。
全国的な展開と愛知県での導入背景
このサービスは、昨年11月に神奈川県警が導入して以降、全国の都道府県警で順次始まっており、中部6県では福井県警、岐阜県警に続く3例目となります。愛知県内では、534か所の交番と駐在所すべてで利用可能です。
今月初旬には、県聴覚障害者協会の中嶋宇月理事長(56歳)が名古屋駅西交番でサービスを体験しました。中嶋さん自身、過去に落とし物を届けるために交番を訪れた際、勤務員が不在で別の交番まで届けに行った経験があります。彼女は「とても便利で、情報のバリアフリー化が進んだ」と歓迎の意を表明しました。
今後の展望と地域への影響
県聴覚障害者協会では、今後、会員への周知活動を進めるとともに、実際にサービスを利用した感想などを募っていく予定です。この取り組みは、障害のある方々の社会参加を促進し、地域コミュニティ全体の安全性向上に寄与することが期待されています。
愛知県警の導入は、全国的なバリアフリー化の流れを加速させる一歩となり、他の自治体や機関にも同様のサービス拡大を促す可能性があります。地域住民からの反応も注目され、より多くの人が安心して警察サービスを利用できる環境づくりが進められています。



