愛知・日本モンキーセンターのエデュケーター高野智さん、3000杯の経験を活かしたラーメン開発
愛知・日本モンキーセンター高野智さん、3000杯の経験でラーメン開発

愛知県犬山市の日本モンキーセンターは、世界最多となる51種の霊長類を飼育する施設として知られている。その敷地内にある食事処「楽猿(らくえん)」は、来園者だけでなく、センターで働く職員たちの憩いの場としても親しまれている。この楽猿と協力し、多彩なラーメンを開発してきたのが、センターのエデュケーターである高野智さん(51)だ。高野さんは大学時代からラーメンの食べ歩きを続け、その経験を活かしてユニークなメニューを生み出してきた。

ラーメン愛あふれるエデュケーター

高野さんが学生時代を過ごした京都市左京区は、ラーメン店がひしめく激戦区。もともと麺類好きだったこともあり、週に2回は様々なラーメン店を訪れ、食べ歩きに没頭した。現在でも「血圧を見ながら」と笑いながらも、休日や仕事終わり、出張の際には各地のラーメン店を巡っている。これまでに食べたラーメンは3000杯以上にのぼり、多様な味を愛する高野さんは「この一杯」を尋ねられると選ぶのに悩むという。時折、楽猿にも立ち寄りラーメンをすする姿が見られ、「ありきたりだけど否定できない、食堂ラーメンの味だよ」と笑顔を見せる。

ラーメン開発のきっかけ

そんな麺好きとして知られる高野さんがメニュー開発に関わるようになったのは2020年のこと。冬の限定メニュー「みそ煮込みうどん」の味が決まらずに悩む楽猿のスタッフから相談を受け、みその調合などについてアドバイスしたのが始まりだった。その後も限定メニューに携わることになり、翌2021年の秋にはしょうゆラーメンのレシピを考え始めた。各地の味を知り尽くしているとはいえ、実際に自分で作るとなれば話は別。思い入れのある、ある店の一杯をイメージしながら、試行錯誤を繰り返す初めての挑戦だった。

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しょうゆ選びに苦労

特に苦労したのは、スープの味のベースとなるしょうゆ選び。10種類ほど試したが、市販の製品では風味や味に「キレが出ない」と感じたという。最終的にたどり着いたのは香川県小豆島のしょうゆで、「それなりに納得できるものができた」と振り返る。限定メニューは2023年まで続き、とんこつ、すだち、しょうゆえびなど、第5弾まで開発に関わった。

エデュケーターとしての活動

高野さんは大学院まで霊長類の化石研究を続け、2003年に研究員として日本モンキーセンターに赴任。以来、子ども向けの教育プログラムに携わってきた。2024年からはエデュケーターの肩書きで、展示動物や骨格標本を紹介しながら、霊長類の進化や身体構造などを解説する教育活動に取り組んでいる。「本物に触れる瞬間」に子どもたちの目が変わり、知的好奇心を育む場になっていると実感。大人になって再びセンターを訪れてくれる日を楽しみにしている。

今後の展望

センターは2025年10月19日から、3~4年かけて大幅な改修を予定しており、全面休園となる。過去に限定メニューとして考えていた鳥白湯(ぱいたん)が、製麺所の事情で実現しなかったことが少し心残りだという。「お店の都合もあるだろうが、休園までにもう一度限定メニューを作れるといい」と願いを語る。

楽猿ラーメンの詳細

食事処「楽猿」は、犬山市犬山官林の日本モンキーセンター内にあり、開園日の午前10時半から午後4時まで営業。楽猿ラーメンはしょうゆ味とみそ味から選べ、ミニチャーハン付きで1050円、単品800円。問い合わせは0568(61)2327まで。

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