福島県只見町に鎮座する三石神社は、その名の通り三つの巨大な岩をご神体としています。中でも頂上付近の「三の岩」に開いた小さな穴に糸やこよりを通して結ぶと、縁結びの御利益があるとされ、多くの参拝者が訪れます。夏には五円玉をつるした糸やこよりでいっぱいになり、良縁への願いの強さが感じられます。
三石神社の起源と歴史
町によると、三石神社の起源は平安時代末期とされています。源頼朝から奥会津の地を賜った金山谷横田の領主が、夢枕に立った神雲のお告げに導かれ、奉願したと伝えられています。
アクセスと周辺情報
最寄りのJR只見駅近くには、神社のイメージキャラクター「ゆかりさん」の看板が設置されています。駅から神社へ歩む途中には只見線の線路が見え、「只見線にみんなで手をふろう条例」が制定されている只見町では、列車に手を振ることで乗客と心を通わせることができます。
神社入り口と冬の様子
神社入り口には立派な鳥居が設置されていますが、「冬は積雪が2メートル以上あるので、鳥居の先端しか見えない」とただみガイド協会長の高原豊さん(70)は語ります。只見町は県内随一の豪雪地帯であり、訪れる期間は限られます。
参道と縁結び三石清水
鳥居から参道に向かうとすぐ急斜面になり、参道中腹辺りには「縁結び三石清水」があります。清水が絶えることなく流れ出ており、かつての旅人は「みそぎの水」として喉を潤しました。前方には「ゆり平」が広がり、6月上旬にはヒメサユリを楽しめます。
一の岩と二の岩の効能
さらに先には「一の岩」があり、上半身がすっぽり入るほどの岩穴があります。頭を入れてお祈りをすると頭の病気が治るとされています。近くの「二の岩」は岩から水がしみ出ることから「泪岩」とも呼ばれ、水を目につけると目の病気が治ると言い伝えられています。
三の岩の神々しさ
頭も目も「良くなった」ところで三の岩にたどり着きます。それまでの二つの岩よりも巨大で、天に突き出すように生えるブナやスギが岩の神々しさを際立たせています。岩の形状に合わせてほこらが建てられ、職人の技術というよりも執念を感じさせるたたずまいです。
冬場の参拝者とこよりの作法
岩にこよりを通すのは思いのほか苦労します。高原さんはガイドの際に「ここまで来たら本気で結んで成功させないと駄目だ」と励ましています。冬場にはかんじきを履き、雪の中で細かい作業をする人もいるといいます。願いをかなえようと必死になる姿が、その後の良縁を引き寄せるのかもしれません。
こよりと縁結び守の入手方法
こよりは只見駅近くの町インフォメーションセンターで配布しています。奥会津産ゼンマイを使った「縁結び守」も販売されています。縁が成就した場合、町役場に連絡すれば御礼奉納をして土に返してくれます。
春の三石神社
春には参道でユキツバキが花を咲かせます。ユキツバキは寒さが厳しい冬に降った雪で押しつぶされ、雪解け後に立ち上がります。春を迎えた三石神社では、三つの岩に一冬の雪を耐え抜いたたくましさが加わっている気がしてなりません。
基本情報
- 住所:只見町只見字後山
- 交通手段:JR只見線只見駅から徒歩5~10分
- 見学:自由
- 問い合わせ先:只見町インフォメーションセンター(電話)0241-82-5250
災害の風化防止と観光振興
JR只見線は2011年の新潟・福島豪雨で被災しました。只見駅では、22年10月1日の全線運転再開からの日数を示す電光掲示板を設け、災害の風化防止を訴えています。また、只見町がロケ地になった映画「青春18×2―君へと続く道」のポスターを掲示し、観光振興をアピールしています。付近の町インフォメーションセンターでは、町産の米焼酎「ねっか」や手作り民芸品などを販売し、おにぎりなどの軽食も用意しています。



