文化庁は4月30日、マンガやアニメ、ゲームなどの資料を保存・活用するために整備を進めている「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」の初の収蔵予定資料として、マンガ家ちばてつやさん(87)の原画など約7万点の保管を始めたと発表した。ちばさんは文化庁を通じ、「ひとコマひとコマに、制作当時の苦しみや人生が詰まっている」などとコメントを発表した。
ちばてつや作品の原画が国の管理に
「あしたのジョー」「ハリスの旋風」「あした天気になあれ」――。こうした人気作の制作過程をうかがえる膨大な原画資料などはこれまで、ちばてつやプロダクションが管理してきた。今回、本人の希望もあり、ほぼすべての資料を国が借り受け、保管することになった。
マンガの原画など、作品完成の過程を示す「中間生成物」について、文化庁は「創作の実態を示す重要な1次資料」と位置づける。これまでは、作品完成後に廃棄されたり、散逸や劣化が進んだりするケースが多く、体系的な保存・活用の枠組みが確立されてこなかった。文化庁はこうした資料の整理や保存に向けた調査研究に取り組んでいて、ちばさんは原画などの調査に協力してきた。
ちばてつやさんのコメント
ちばさんはコメントの中で、「ひとコマひとコマに、制作当時の苦しみや人生が詰まっている。これらの作品が未来に残され、多くの人に愛されることを願っている」と述べた。
今回の保管開始は、日本のマンガ文化を後世に伝える重要な一歩となる。文化庁は今後も他の作家の資料収集を進め、メディア芸術の保存・活用を推進する方針だ。



