幻の湖「椿海」周辺の中世水城を巡る歴史ツアーが開催
かつて千葉県北東部に広がっていた湖「椿海(つばきのうみ)」の水際や、近隣の匝瑳市・旭市に点在する城郭遺構を巡る歴史イベントが、4月26日と5月10日の2日間にわたって開催されます。主催は千葉城郭保存活用会で、同会の小室裕一代表は「“幻の湖”にまつわる中世の歴史ロマンを楽しんでいただきたい」と参加者を募っています。
江戸時代に干拓で消滅した広大な湖
椿海は現在の匝瑳市・旭市・東庄町にまたがり、東西12キロ、南北4キロにわたって広がっていた巨大な湖でした。しかし江戸時代初期の干拓事業によって完全に消滅し、現在ではその面影を直接見ることはできません。往時は水運が栄え、その警備や監視、徴税などの目的で、湖の周辺には数多くの山城が築かれたと伝えられています。
戦国時代の千葉氏と里見氏の攻防の舞台
これらの城郭の大半は、戦国時代に県北の下総を支配していた千葉氏につながる勢力が拠点としていました。一方、椿海の北方に広がっていた巨大内海「香取海(かとりのうみ)」を掌握しようとした県南の安房・上総を地盤とする里見氏は、永禄年間(1558~70年)に起こした「香取侵攻」の前後、この地域で千葉氏と激しくせめぎ合っていたと考えられています。この地域は、両勢力の境界線として重要な戦略的価値を持っていたのです。
また椿海には、旭市の市名の由来となった戦国武将・木曽義昌が水葬されたという伝承も残されています。義昌は、源平時代に「旭将軍」の勇名をはせた木曽義仲の子孫を名乗った人物です。イベントでは、小室代表自らがガイドを務め、各城郭や一帯に伝わるこうした歴史的エピソードを詳しく紹介します。
2種類のツアーで中世の歴史を体感
4月26日には「椿の海周辺水城(みずじろ)をまわるバスツアー」が開催されます。午前10時10分にJR旭駅に集合し、昼食付きで参加費は1万2800円です。
5月10日には「八日市場城、要害台城、米倉城ウォーキングツアー」が実施されます。午前10時にJR八日市場駅に集合し、参加費は3千円となっています。
両日とも先着25人限定で、予約が必要です。問い合わせは小室代表(電話090-3084-1258)まで。この機会に、消えた湖と中世城郭が織りなす歴史のロマンを、実際に歩いて体感してみてはいかがでしょうか。



