芸舞妓が裾を引く衣装をまとうとき、その顔は真っ白な「白塗り」に仕上げられます。鮮やかな口紅が映え、まるで京人形のような風情を漂わせます。かつてろうそくのほのかな明かりが座敷を照らしていた時代、この白塗りが顔を引き立てる役割を果たしたとされています。
白塗りの工程と意味
白塗りは身支度の最初に行われます。まず下地としてびんつけ油を首や顔に塗り、その後、水で溶いた練り白粉をはけで伸ばしていきます。うなじから始め、背中、首回り、そして最後に顔を仕上げるのが一般的です。眉毛や目尻には舞台用のアイシャドーで紅を入れ、唇には棒紅を水で溶いて塗ります。
花街ごとの違い
花街の一つ、祇園甲部では、新人舞妓は下唇だけに紅をさし、2年目から上唇にも引くという習わしがあります。2024年6月にデビューした舞妓の佳つ若さんは、置屋の女将と指導役の芸妓の許しを得て、舞妓になってちょうど1年たった日から両唇に紅を塗るようになりました。彼女は「うれしさと同時に、新人だからと大目に見てもらえなくなる焦りも感じました」と振り返ります。
日々の追求
毎日1時間ほどかけて丁寧に化粧をする佳つ若さん。かわいらしく、柔らかく、舞妓さんらしさを日々追求しています。その姿は、京都の伝統文化を支える一翼を担っています。



