<朝晴れエッセー>大人になったら:掃除の時間に芽生えた正直さと葛藤
<朝晴れエッセー>大人になったら:掃除の正直さと葛藤

<朝晴れエッセー>大人になったら:掃除の時間に芽生えた正直さと葛藤

小学生の頃、一日の終わりには必ず掃除の時間がありました。6時間目の授業が終わると、教室や廊下など、それぞれの持ち場に分かれて掃除をしたものです。それが終わると、再び教室に戻り、一日の終わりの会が始まります。

クラス全員の手が挙がる中での葛藤

先生が「掃除がんばった人?」と尋ねると、クラスのほぼ全員が勢いよく手を挙げました。しかし、私は手を挙げることができませんでした。別段、掃除をさぼったわけではありませんが、特にがんばったわけでもないと感じていたからです。噓をつくことは良くないと心がザワめき、正直に振る舞いたいという思いが強かったのです。

先ほど、掃除を一生懸命にやっていた人も、明らかに手を抜いていた人も、みんな元気よく手を挙げています。手を挙げていないのは、私を含めて、いつも2、3人だけでした。

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「がんばらなかった人?」という問いかけ

続いて、先生が「がんばらなかった人?」と尋ねます。がんばらなかったのは、そうかもしれないが、さぼったわけでもないという複雑な気持ちが湧き上がります。しかし、先に手を挙げなかったから、今手を挙げなかったら、先生を無視したことになるのではないかと不安になりました。

「どちらでもありません」と言う勇気は持ちあわせておらず、しかたがないから、元気なく手を挙げることになります。すると、先生から「どうして、君はいつもそうなの、そんなだと大人になったら…」と言われたのです。

今の自分へのつながり

そうです。今の私のようになります!と、著者の田中邦彦さん(72歳、和歌山市)は振り返ります。このエッセーは、小学生時代の小さな出来事が、大人になった今の正直さや倫理観にどのように影響を与えたかを考察しています。掃除の時間を通じて、嘘をつかないことの大切さや、自分自身の信念を貫く難しさを学んだ経験が、人生の礎となったことを語っています。

このような日常の一コマが、長い年月を経て、人格形成に深く関わっていることに気づかされます。田中さんは、当時の葛藤が、現在の自分を形作る一因となったと感じているようです。

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