中京大中京の安藤投手がみせた粘投 夏へ向けた決意表明
2026年3月29日、第98回選抜高校野球大会準決勝が行われ、中京大中京は智弁学園(奈良)に1対2で惜敗した。試合後、スタンドへのあいさつを終えてグラウンドを引きあげる選手たちの姿に、悔しさと次への決意がにじんでいた。
ピンチを凌ぐ粘りの投球
中京大中京の先発・安藤歩叶投手(3年)は、強力な智弁学園打線と堂々と渡り合い、5回を3安打無失点に抑える好投を見せた。昨秋の悔しさをバネに成長したエースは、大舞台で確かな手応えを掴んだ。
特に粘り強さが光ったのは、1点を先制した直後の三回裏だ。2死二塁のピンチでフルカウントに追い込まれるも、左打者を外角のスプリットで空振り三振に仕留めた。四回と五回も3ボールとなる場面が目立ったが、いずれも粘りの投球で打ち取っている。
初戦では5四死球と制球に苦しんだ安藤投手だが、準決勝ではピンチをくぐり抜ける度に安定感を増していった。リードする津末駿晄捕手(3年)は「スリーボールから粘れるようになったことが大きな成長です」と語り、バッテリーの信頼関係を強調した。
秋の敗戦から得た成長
安藤投手の飛躍のきっかけは、昨秋の明治神宮大会での悔しい敗戦にあった。初戦の神戸国際大付(兵庫)戦で先発した彼は、本塁打を3本浴びて7回コールド負けを喫している。
「全国レベルの打者との差を痛感しました」と振り返る安藤投手は、この経験を糧に練習への取り組みを一変させた。任意参加の朝練に積極的に参加し、軸足を安定させるためにウェートトレーニングで足腰を鍛え、投げ込みを重ねたのである。
ひと冬を越えて球威を増した直球は、準々決勝で8点差をひっくり返した相手の強力打線のバットを押し込むほどの威力を見せつけた。「秋には通用しなかった直球で勝負し、ファウルや空振りを取れたことが自分自身の成長だと実感しています」と安藤投手は語る。
夏の甲子園へ向けた決意
ボールが浮き始めた五回終了後に降板した安藤投手は、マウンドを太田匠哉投手(3年)に託した。高橋源一郎監督が主将として進出した1997年以来、29年ぶりの選抜決勝進出はならなかったが、チームは確かな手応えを残した。
試合後、安藤投手は夏の全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)へ向けて熱い決意を口にした。「夏は常に球速が140キロを超えないと勝負になりません。スタミナをつけて、夏にもう一回戻ってきて日本一を取りたいです」
悔しさを力に変え、さらなる高みを目指すエースの言葉に、中京大中京の夏への期待が膨らむ。粘り強さと成長をみせた安藤投手の今後の活躍に、野球ファンの注目が集まっている。



