長谷川健太氏がW杯展望、長友の存在感と左WBが鍵、チュニジア戦が突破の分岐点に
長谷川健太氏がW杯展望、長友の存在感と左WBが鍵

2026年ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会の開幕を翌日に控え、J1名古屋グランパスの前監督である長谷川健太氏(60)が大会展望を語った。本稿では上下2回に分け、その内容を詳しく紹介する。第1回は、長友佑都選手の存在意義と左ウイングバックの起用法、そしてグループリーグ突破の鍵を握る第2戦について考察する。

長友佑都の選出がもたらすチームへの好影響

日本代表のメンバー選考において、FC東京に所属する長友佑都選手の選出は大きな話題を集めた。W杯では事前合宿を含め、決勝戦まで約1カ月半に及ぶ長期の集団生活が強いられる。このような環境下で、チーム全体が快適に過ごせるかどうかは極めて重要な要素となる。長谷川氏は、長友選手が監督やコーチ陣と選手たちの橋渡し役を務め、試合に出場できない選手たちのストレスを軽減し、チームの士気を高める存在として貴重だと指摘する。

長谷川氏はFC東京で長友選手と共にプレーした経験を持つ。その印象について、「彼はとにかくポジティブで、たとえ試合に負けても落ち込むことなく、『さあ、やりましょうよ!』という言葉で周囲の雰囲気を明るくしてくれる。見たままの性格で、疲れているときでも彼の姿を見るだけで元気が湧いてきた」と語る。

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左ウイングバックの起用法が鍵を握る

選手起用において最も気になるポジションとして、長谷川氏は左ウイングバック(WB)を挙げる。南野拓実選手(モナコ)と三笘薫選手(ブライトン)が不在の中、1.5列目のシャドーを含め、左サイドは攻撃的な選手が手薄な状況だ。シャドーについては、先月末のアイスランド戦のように、伊東純也選手(ゲンク)を右から左に移す選択肢も考えられる。しかし、WBに関しては前田大然選手(セルティック)はこのポジションに不慣れであり、中村敬斗選手(スタッド・ランス)以外に適任者が見当たらない。

長谷川氏は、強豪国との対戦では鈴木淳選手(コペンハーゲン)など守備的な選手をWBで先発させ、後半から中村選手に代えて攻撃のギアを上げる戦術を提案する。一方、格下または同等の相手には最初から中村選手を起用し、積極的に攻め込むべきだと述べる。日本より世界ランキングが上位のオランダが初戦、下位のチュニジアが第2戦となる。中5日の間隔があり連続出場も可能な中、指揮官の采配が注目される。

チュニジア戦がグループリーグ突破の分岐点

長谷川氏は、個人的にはチュニジア戦が1次リーグ突破の鍵を握ると強調する。初戦で敗れたとしても、第2戦で勝利すれば、3位以内での突破の可能性が大きく広がる。第3戦のスウェーデンは世界ランクこそ下だが、強力なフォワードを擁し、オランダと同等の実力を持つと分析する。決勝トーナメント初戦はスウェーデン戦から最短で中3日となるため、理想的にはチュニジア戦で突破のめどを立てたいところだ。

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長谷川健太氏のプロフィール

  • 清水東高校、筑波大学を経て、日産自動車(現横浜F・マリノス)、J1清水エスパルスでフォワードとして活躍。
  • 日本代表として27試合に出場し、4得点を記録。「ドーハの悲劇」として知られる1993年のW杯米国大会アジア最終予選のイラク戦にも先発出場。
  • 監督としては計4クラブを指揮。2014年にガンバ大阪でJ1優勝を含む主要タイトル3冠を達成。FC東京と名古屋グランパスでYBCルヴァン・カップを制覇。
  • 静岡県清水市(現静岡市)出身。