W杯開催都市で麻薬組織首領殺害、報復行動が拡大
メキシコ軍が中西部ハリスコ州で麻薬組織「ハリスコ新世代カルテル(CJNG)」の首領を殺害したことを受けて、州都グアダラハラを中心に報復による混乱が続いている。グアダラハラは6月開幕のサッカー・ワールドカップ(W杯)の開催都市の一つであり、当局は安全性のアピールに躍起となっているが、治安悪化への懸念が高まっている。
刑務所襲撃や脱走事件、企業活動にも影響
メキシコ軍は22日、CJNGの本拠地ハリスコ州で首領の潜伏先を急襲して殺害した。直後から報復の動きが広がり、高速道路の封鎖や店舗などへの放火が相次いだ。州は23日、刑務所が襲撃され、受刑者23人が脱走したと発表した。この混乱を受けて、ホンダはグアダラハラ工場の稼働を一時停止せざるを得なくなった。
W杯開催への懸念、FIFAも開催地変更を示唆
W杯は米国、カナダ、メキシコの共催で、グアダラハラではメキシコ対韓国戦など、1次リーグ4試合が開かれる予定だ。メキシコのスポーツチャンネル「クラロ・スポーツ」は22日、「開催実現が不透明になっている」と懸念を伝えた。3月下旬にW杯の最終出場枠を争うプレーオフも予定されているが、米スポーツ情報専門サイト「ジ・アスレチック」は23日、「開催地変更の可能性もある」とする国際サッカー連盟(FIFA)幹部の話を伝えた。
メキシコ政府は安全を強調も、麻薬組織の脅威は根深い
一方、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は24日の記者会見で、大会運営について「リスクは全くない」と強調した。同州のパブロ・レムス知事も24日、記者団に「FIFAと協議した。FIFAはメキシコから開催地を奪うつもりはない」と述べた。
しかし、メキシコ全土に根を張る麻薬組織の掃討作戦は難航している。AP通信によると、CJNGのメンバーは推定1万9000人に上り、メキシコ32州中21州で活動しており、抗争の激化も懸念される。
日本代表への影響、事前合宿地にも波及の恐れ
日本代表は北東部ヌエボレオン州でW杯の事前合宿や試合を予定しているが、麻薬組織の活動範囲が広がっていることから、治安状況への注意が求められる。この混乱がW杯のスケジュールや日本代表の準備にどのような影響を与えるか、関係者の間で注視が続いている。



