ペレ、マラドーナ、釜本…聖地アステカでW杯開幕 48チーム激戦へ
聖地アステカでW杯開幕 ペレ、マラドーナ、釜本の伝説刻む

聖地アステカでW杯開幕 ペレ、マラドーナ、釜本が刻んだ伝説の舞台

サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会が11日(日本時間12日午前4時)、メキシコ対南アフリカの開幕戦で幕を開ける。会場はメキシコ市のアステカ競技場。サッカー史に輝く数々の名場面が生まれたこの地で、史上最多となる48チームによる激戦の火ぶたが切られる。

10日にアステカ競技場で記者会見した国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長は「まさにサッカーの大聖堂。『世紀の試合』の舞台であり、最高の祝祭が行われた場所」と表現した。

歴史に刻まれた名勝負の数々

このスタジアムはメキシコが開催地となった1970年、86年大会でも開幕戦が行われた。過去2大会では決勝の舞台にもなり、スター選手たちが伝説を刻んだ。

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70年大会では、「サッカーの王様」と呼ばれるペレが躍動。決勝で先制点を決め、ブラジルを3度目の優勝に導いた。ペレは「アステカには特別な何かがある。それはここでプレーしてみないとわからない」と語っている。

86年大会では、アルゼンチンの英雄マラドーナが後世に語り継がれるプレーを披露。準々決勝のイングランド戦で見せた「神の手」と「5人抜き」による2得点は今も語り草だ。決勝もこのスタジアムで制し、母国を2度目の優勝へと導いた。

日本サッカーにとっても聖地

日本サッカーの歴史においても、アステカ競技場は重要な場所だ。1968年のメキシコ五輪で、日本は釜本邦茂らを擁し、3位決定戦に勝利。銅メダルをつかんだ。2年前までメキシコ代表でコーチを務めていた西村亮太さん(41)は「メキシコにおける聖地。私の人生の中で最も熱量を感じたスタジアムだった」と振り返る。

改修工事と名称変更

客席は急傾斜のすり鉢状に設計され、収容人数は8万人を超える。サポーターの声がこだまし、ホームチームが強力な後押しを受けるという。1966年に開業したスタジアムは、今大会に向けて約1年半かけて改修工事が行われた。芝は天然と人工を組み合わせたハイブリッド芝に変更され、選手用ロッカールームの移設や大型ビジョンの設置などが進められた。

AP通信によると、改修費を賄うため、21億ペソ(約190億円)の融資と引き換えに、国内大手銀行の名を冠した「バノルテ・スタジアム」に改称された。ただし、命名権が適用されないW杯期間中は「メキシコ市スタジアム」と呼ばれる。シェインバウム大統領は「私は『アステカ』と呼びたい。多くの人がその名とともに育ってきたのだから」と話している。

開幕戦への期待と街の盛り上がり

開幕戦が行われる11日は、メキシコ市内の公立学校が休校となる。交通混雑の緩和や、観戦したりイベントに参加したりできるようにする狙いがあるという。ホテル従業員のイバンさんは「アステカにまたW杯が戻ってくる。チケットが高くてスタジアムで見ることはできないけど、楽しみだ」と心待ちにする。

開幕戦を3度開催するのは史上初。アステカ競技場では今大会、5試合が行われる。

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