GK鈴木彩艶、負傷の壁を乗り越え英国遠征で鮮烈な復活劇
2026年6月に米国、カナダ、メキシコの北中米3カ国共催で開幕するワールドカップ(W杯)に向け、日本代表は3月末に英国へ遠征し、スコットランドとイングランドとの国際親善試合を実施した。グラスゴーのハムデンパークとロンドンのウェンブリーという欧州有数の歴史あるスタジアムで行われた2試合は、いずれも1-0で勝利し、サムライブルーの高い実力を世界に示す結果となった。
スコットランド戦での決定的なセーブ
特に注目を集めたのは、浦和出身で浦和レッズのアカデミーで成長したGK鈴木彩艶(ざいおん)の活躍だ。スコットランド戦では、開始8分に相手の右サイドからの攻撃で至近距離からエース、スコット・マクトミネイにシュートを打たれたが、素晴らしい反応で左手に当てゴールを阻んだ。日本は普段出場機会の限られるメンバーで臨み、隙を突かれた状況だったが、鈴木は「左手が本能的に反応した」と振り返り、このセーブが失点を防ぎ、試合の流れを変える重要なプレーとなった。
その後、日本は落ち着きを取り戻し、主力を段階的に投入した後半には圧力を強めた。55分には相手のカウンターからフリーで左サイドを上がったアンドリュー・ロバートソンのシュートを、鈴木がダイブして左手ではじき出し、スコットランドのビッグチャンスを2回にわたり封じ込めた。終盤には攻撃陣の見事な連携から伊東純也が決勝点を決め、勝利を確実なものとした。
イングランド戦でも堅守を発揮
中2日で対戦したイングランドは、W杯の優勝候補の一角に挙げられる強豪だ。日本はこの試合でベストメンバーを投入し、押し込まれる展開となったものの、素早いプレスでチャンスを与えず、23分には鮮やかなカウンターから三笘薫が決めてリードを奪った。前半は集中した守りで枠内シュートを許さなかったが、終盤にイングランドがパワープレーに切り替えると、フィジカルで劣る日本はピンチを迎えた。
78分にはマーカス・ラッシュフォード、89分にはルイス・ホールがこぼれ球をエリア内からシュートを放ったが、それぞれ鈴木が鋭い反応で止め、無失点を守り抜いた。欧州の強豪と2試合をアウェーで戦い、ともに無失点で終えた日本の守備は現地でも絶賛され、鈴木のプレーは世界レベルと高く評価された。
負傷からの復活とW杯への期待
イタリア・セリエAのパルマでポジションを獲得した鈴木は、昨年11月に左手を骨折し、しばらく戦列を離れていた。英国遠征のほぼ1カ月前に復帰し、まだベストフォームには至っていないとはいえ、その健在ぶりを十分に示した。W杯でレギュラーとして起用されることはまず間違いなく、日本の躍進を支える鍵となるだろう。
もう一人の埼玉出身でレッズアカデミー育ちのDF橋岡大樹は、スコットランド戦で途中出場した。選手層の厚いCBではあるが、今回外れた冨安健洋や板倉滉のコンディションが戻れば、割って入るのは厳しい状況かもしれない。また、本来のチームキャプテンで、かつてレッズでプレーしたMF遠藤航は膝の負傷で手術し、本番に間に合わない可能性も出ている。これにより、埼玉ゆかりの選手は鈴木一人になるかもしれないが、その活躍と日本の躍進が大いに期待される。
この英国遠征を通じて、鈴木彩艶は負傷からの復活を果たし、W杯への順調な滑り出しを印象付けた。サッカーファンは、彼の今後の活躍に熱い視線を注いでいる。



