サッカーのワールドカップ(W杯)は華やかな選手の活躍に注目が集まりがちですが、そのスターたちを動かすのは代表監督です。人心掌握に長けた知将、斬新な戦術を編み出す奇才、百戦錬磨の老将――各チームを率いる名物指揮官を紹介します(文中のコメントはロイター)。
「小さな将軍」が率いる最小国
カリブ海に浮かぶオランダ領の島、キュラソー。人口約15万人のこの国は、歴代W杯出場チームで最も人口が少ないことで知られます。その代表を指揮するのは、歴代W杯代表監督の中でも最年長となる78歳の老将、ディック・アドフォカート監督です。
愛称は「小さな将軍」。オランダの男性としては小柄ですが、そのエネルギッシュな動きは年齢を全く感じさせません。1994年の米国大会では、監督としてオランダ代表をベスト8に導きました。2006年のドイツ大会では韓国代表を指揮しています。
初出場への道のり
2024年1月に就任したアドフォカート監督が率いたキュラソーは、カナダ、米国、メキシコといった有力国が参加しなかった今大会予選を無敗で突破し、初のW杯出場を決めました。今年2月には家族の健康問題を理由に一度辞任しましたが、5月に問題が解決したとして復帰しました。
今大会のグループステージでは、ドイツ、エクアドル、コートジボワールという強豪がひしめく組に入り、苦戦は必至と見られています。それでもベテラン指揮官は楽観的です。
「我々を破るのは簡単ではない。何事も不可能ではない」
準優勝3回を誇る母国オランダの監督とは異なる立場での采配を、彼は楽しみにしている様子です。



