1人150万円でも「現地で感動を」 W杯に日本から続々
1人150万円でも「現地で感動を」 W杯に日本から続々

「金額のことは何も考えないようにしています」。サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会を現地観戦する高田健心さん(26)はそう語る。東京都内の不動産会社に勤める彼は、中学・高校のサッカー部の同期3人と共に観戦する予定だ。4年前の前回大会は東京・渋谷のスポーツバーでテレビ観戦したが、その時に「次は現地で」と誓い合ったという。

高騰するチケットと交通費

2025年12月に組み合わせが決まると、高田さんは決勝トーナメント初戦と16強のチケット計2枚を20万円で購入。しかし、日本の1次リーグの成績次第では、滞在先のアメリカ・ヒューストンからメキシコ・モンテレイへの移動が必要になる可能性もある。節約のため、移動手段は車を選び、4人で交代で運転する計画だ。それでも支払い済みの費用は50万円を超え、「かなり痛い」と苦笑する。

国際サッカー連盟(FIFA)は今回、需給に応じて価格を変える「ダイナミック・プライシング」を初導入し、公式サイトでの転売も認めた。その結果、チケット料金は過去最高水準に。9日現在、日本の初戦(オランダ戦)の最低価格は573ドル(約9万円)だ。さらに、原油高の影響で交通費も高騰。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は5月1日発券分から国際線の燃油サーチャージを1.5~2倍に引き上げると発表している。

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節約を重ねるファンたち

「世界最大のスポーツイベント」を現地で味わうため、日本から多くのファンが向かう。新システムによる高額チケット、交通費や物価の高騰、円安と逆風は多い。それでもファンは節約を重ね、期待に胸を膨らませている。高田さんは普段から半額セールを活用し、食費や娯楽費を切り詰めて資金を捻出。総費用は1人あたり150万円に達する見込みだが、「現地で感じる感動には代えられない」と語る。

他のサポーターも同様で、大阪府の会社員男性(34)は「前回のカタール大会はテレビ観戦だったが、今回は絶対に現地に行くと決めていた。貯金を全て注ぎ込んだ」と話す。彼は往復航空券と宿泊費、チケット代で約120万円を支出。さらに、試合のない日は格安ホステルに泊まり、食事はスーパーで済ませるなど徹底した節約を計画している。

現地での課題と期待

しかし、現地での生活費も高額だ。アメリカの主要都市ではインフレが進行し、ホテル代や食費が高騰。円安も追い打ちをかける。それでも、ファンは「日本代表の応援に国境はない。現地で声をからすつもりだ」と意気込む。また、FIFAは転売を公認したことで、チケットの入手が以前より容易になった面もあるが、価格は高止まりしている。

高田さんは「試合はもちろん、現地の雰囲気や他の国のサポーターとの交流も楽しみ。一生の思い出になる」と目を輝かせる。彼を含め、多くの日本人ファンが高額な費用を惜しみなく投じ、北中米の地で日本代表に声援を送る準備を進めている。

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