PTSDとの闘いを経て頂点へ シフリン、ミラノ五輪で金メダル獲得
2026年2月18日、ミラノ・コルティナオリンピックのアルペンスキー女子回転競技で、米国のミカエラ・シフリン(30)が優勝を果たした。この勝利は、2大会ぶり3個目となる金メダルであり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に直面しながらも克服した末の栄冠となった。
安定した滑りで圧勝 12年ぶりの回転金
シフリンは1回目でトップに立つと、2回目も安定した滑りを見せ、2位に1秒50の大差をつけて優勝。表彰台では、メダルをいとおしそうに眺める姿が見られた。回転での金メダルは、18歳で初出場した2014年ソチ大会以来、12年ぶりの快挙である。
試合後、シフリンは「今日一番欲しかったものはメダルよりも『ここに立って滑ること』でした。メダルまで手にできたなんて本当に信じられない」と語り、競技への純粋な喜びを強調した。
転倒によるPTSD発症と恐怖との闘い
シフリンの競技人生は、2024年11月に地元米国で行われた大回転での転倒により一変した。腹部を負傷しただけでなく、この事故が原因でPTSDを発症し、滑ることへの恐怖を抱えるようになった。
しかし、心理士や家族らの支えを受けながら、必死にリハビリに取り組んだ。その努力が実り、2025年2月にはアルペンのワールドカップで男女を通じ史上初となる通算100勝を達成。現在では108勝まで記録を伸ばしている。
復帰後の活躍と感謝の言葉
今大会では、15日の大回転で11位に終わったものの、回転競技では雑念を排し、シンプルに滑ることに集中できたという。シフリンは「ここまで支えてくれた人に感謝したい」と述べ、大会に付き添いサポートしてくれた母親とは抱き合って喜びを分かち合った。
この勝利は、PTSDという心の傷を乗り越え、頂点に返り咲いた証しとなった。シフリンは、2018年平昌大会の大回転で金メダルを獲得し、2022年北京大会ではメダルを逃したが、ワールドカップでの勝利を重ねてきた実力者である。今回の金メダルは、その不屈の精神と努力が結実した瞬間と言えるだろう。



