ミラノ五輪で涙の吉田雪乃、高木美帆の温かい抱擁に救われる
2026年2月15日、ミラノ・コルティナオリンピックのスピードスケート女子500メートルで、日本選手の吉田雪乃(寿広)が13位に終わり、レース後に涙を流す姿が印象的だった。一方、同種目で高木美帆(TOKIOインカラミ)が37秒27で銅メダルを獲得し、自身の夏冬通じた日本女子最多メダル記録を9個に更新した。
期待外れに終わった吉田のレース、フライング判定が響く
吉田はこのレースで、最初のスタート時にフライング判定を受けるというアクシデントに見舞われた。「そこから焦りで何か所かつまずいてしまった」と振り返り、再スタートでは序盤の加速が発揮できず、100メートル通過時点で14位と出遅れた。残り400メートルもスピードに乗れないまま、13位でのゴールとなった。
「思い描いたような景色を一度も見られずに終わってしまった」と語る吉田の目からは、大粒の涙がこぼれた。前日の1000メートルでも思うような滑りができなかったことから、「経験値があまりにもなさすぎて、実力もなかった」と悔しさをにじませた。
高木美帆の銅メダルと記録更新、吉田への優しい言葉
高木はこの500メートルで銅メダルを獲得し、今大会では1000メートルの銅に続く2個目のメダルとなった。これにより、夏冬を通じた日本女子最多メダル記録を9個に伸ばし、自身の偉大なキャリアをさらに彩った。山田梨央(直富商事)は9位に入った。
レース後に泣いている吉田を見た高木は、すぐに抱きしめて「よく頑張ったね」と声をかけた。吉田はこの瞬間について、「大先輩の優しさとともに、その偉大さも改めて肌で感じた」と語り、重圧の中でのメダル獲得の難しさを実感したという。
吉田の決意と未来への展望、涙を力に変えて
吉田はメダル獲得で周囲への恩返しを果たし、競技からの引退も考えていたが、「辞めたかった。けど、辞められないんじゃないかなぁ。このままで終われない。前を向いていかないと」と決意を新たにした。高校から本格的にスピードスケートに取り組んでいるため、まだ伸び代は十分にあると強調。
「この涙がきっと次につながる」と前向きな姿勢を示し、今後の活躍に期待が寄せられる。一方、優勝はファムケ・コク(オランダ)が五輪新記録の36秒49で飾り、オランダ勢の強さを印象付けた。
ミラノ五輪は日本選手にとって、喜びと悔しさが交錯する舞台となっており、スピードスケート界の新たな章が始まろうとしている。