木原龍一選手、心に届く金メダル…中京大先輩後輩の快挙に本郷理華さんが感動の寄稿
木原龍一選手の金メダルに本郷理華さんが感動寄稿

ミラノ・コルティナ五輪で日本初のフィギュアペア金メダル

ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックのフィギュアスケート・ペア競技において、三浦璃来選手(24)と木原龍一選手(33)が見事に金メダルを獲得しました。この歴史的快挙を受け、本紙「スポLOVE」コーナーを担当する本郷理華さんが感動の寄稿を寄せています。

心に届く演技と圧倒的な集中力

本郷さんは自宅のテレビで試合を観戦し、演技の途中から涙が止まらなかったと語ります。「流れるようなスケーティングでリンクを躍動しながら、リフトやスロージャンプなどの難しい技を最高のレベルで決めていく姿は、まさにフィギュアスケートの素晴らしさを体現していました」と振り返ります。特に印象的だったのは、演技前からの2人の集中力で、「必ずやってくれる」と感じさせるかっこいい表情が印象的だったと述べています。

お兄さんのような存在だった木原選手

本郷さんと木原選手は、同じ名古屋市内のスケートクラブで育ちました。小学5年生で仙台から名古屋に引っ越してきた本郷さんにとって、4学年上の木原選手は「お兄さんのような存在」でした。最初の出会いは本郷さんが小学3年生の時、家族と離れて参加した合宿でのことです。寂しそうにしていた本郷さんに、木原選手は練習のない時間にクレーンゲームで遊んでくれ、ペンギンのキーホルダーを取ってくれたエピソードを今でも鮮明に覚えているそうです。

ペア転向からの苦難と努力の軌跡

男子シングルで全日本選手権の表彰台が狙える位置で活躍していた木原選手がペアに転向したのは、2014年ソチオリンピック前のことでした。団体戦が新種目として採用され、日本が団体に出場するためにペア選手が必要だった背景もあったと推測されます。当時は日本人ペア選手がほとんどいない時代で、細身で小柄な選手が多い中、木原選手は身長174センチの長身で骨太の体格でした。

「ペアに転向すれば、大変な日々が待っているだろうに、決断した木原選手はすごいなと思う反面、一緒に練習できないのかと、寂しい気持ちにもなりました」と本郷さんは当時の心境を明かします。団体で日本を支える役割から始まったペア選手生活は、新しい種目をゼロから始める不安や重圧が大きく、言葉では表せない努力の積み重ねがあったことは間違いありません。

海外生活の苦労と信頼関係の重要性

拠点を海外に移した生活も大変だったでしょう。本郷さんは「最初の頃、私並みに英語が苦手な印象だったのに、帰国すると『コーヒーショップでの注文は余裕でできる』と胸を張っていたことも思い出します」と語ります。また、自身の現役時代に同じ大会に出場した際、試合後は肩や膝などの関節がアイシングだらけだったことから、ペア競技の過酷さを実感したそうです。

ペア競技では信頼関係が何よりも大切です。木原選手は普段から気配りのできる優しい人柄ですが、リンクに立つとパートナーを安心させ、頼りになる男性にパワーアップすると本郷さんは感じています。「おれに任せておけ」という温かみが演技からも伝わってくると述べています。

愛知県初の五輪金メダリストとして

伊藤みどりさん、浅田真央さん、宇野昌磨さんなど名だたるスケーターを輩出してきた愛知県ですが、オリンピックでの金メダル獲得は木原選手が初めてとなります。「心が熱くなる演技をありがとうございました。ずっとずっと頑張ってきたので、まずは少し体を休めてほしいなと思います」と本郷さんは祝福の言葉を贈りました。

本郷理華(ほんごう・りか)プロフィール
1996年生まれ。5歳でフィギュアスケートを始め、2015年から3年連続で世界選手権に出場。現在はコーチやプロスケーターとして活躍中。中京大学出身。