自然災害に便乗する悪質商法が横行 屋根瓦修理や保険申請代行で高齢者狙う
災害便乗の悪質商法横行 屋根修理や保険代行で被害

自然災害に便乗する悪質商法が横行 高齢者を狙った手口に警戒を

東日本大震災から15年、熊本地震からまもなく10年を迎える中、自然災害に便乗した悪質商法が依然として後を絶たない状況が続いている。国民生活センターが実施した調査によると、地震や台風、豪雨などの災害発生時に、被災者を狙った消費者トラブルが多数発生していることが明らかになった。

屋根瓦修理で不当請求 70代男性が100万円の見積もり被害

実際に寄せられた相談事例の一つが、地震後に訪れた業者による屋根瓦修理のトラブルだ。70代の男性は、自宅の屋根瓦の状態を心配していると、近くで工事をしているという業者が「瓦がずれている。応急処置としてブルーシートをかけてあげる」と訪問してきた。

男性が修理の見積もりを依頼すると、当初約100万円と提示されたが、20万円ほど値引きになったため契約した。しかし、実際に工事が始まると、見積もり内容よりも作業範囲が狭くなっていた上に、通常より高額な工法が採用されていることが判明。家を建てた業者に相談したところ、複数の怪しい点を指摘され、解約を希望する事態に発展した。

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保険申請代行で45%の成功報酬要求 80代男性が契約後悔

台風被害後に発生した別の事例では、80代の男性に「この地域は補償対象地になった。当社が申請のサポートを行っている」という電話がかかってきた。後日、担当者2人が自宅を訪問し、「加入している保険会社に申請しましょう。その代行をします。保険金がおりたら、成功報酬として45%を支払ってください」と説明され、契約してしまったという。

男性は後になって、保険会社に直接申請すればサポート料金は必要ないことに気づき、クーリングオフを希望している。このように、被災者の不安心理につけ込んだ高額な代行サービス契約が問題となっている。

支援物資と偽り貴金属買取を狙う手口も

さらに悪質な事例として、市役所を名乗る電話がかかってくるケースも報告されている。70代の女性は、近隣の県で起きた災害に対する支援物資が不足しているとして、使っていない皿などがないか聞かれたが、その後、指輪なども譲ってほしいと言い出したため断ったという。

国民生活センターには、被災地への支援物資を集めるふりをして、実は貴金属の買い取り業者だったという相談も寄せられている。このように、人々の親切心につけ込む手口も確認されている。

その他の災害関連トラブル事例

  • 地震後に「分電盤が原因の火災が多数あったので取り換えた方がいい」と迫ってくる業者
  • 災害で賃貸住宅の設備に問題が起きて住めない状態なのに、家賃が減額されないトラブル
  • 工事・建築や申請代行サービス、不動産貸借に関する相談が特に多い

消費者トラブル回避のための対策ポイント

国民生活センターは、災害に伴う消費者トラブルに巻き込まれないために、以下の対策を呼びかけている。

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  1. 事前知識の習得:自然災害発生時には様々な消費者トラブルが発生することを事前に理解しておく
  2. 複数見積もりの取得:工事や修理に関しては、複数の業者から見積もりを取り、周囲にも相談して慎重に検討する
  3. 賃貸契約の確認:賃貸住宅では、契約内容に沿った利用ができるよう修繕するのは家主側の義務。必要な修理を行わず十分に利用できない場合の家賃については減額交渉が可能と考えられるため、契約内容をしっかり確認する
  4. 保険内容の把握:加入している保険の対象範囲や申請方法を事前に把握し、保険金請求の申請方法もチェックしておく
  5. 怪しい話への警戒:寄付など親切心につけ込む怪しい話や自然災害に便乗した悪質商法に注意し、おかしいと思ったら話に耳を傾けず周囲に相談する

調査期間は2021年度から2025年度にかけて、各地の消費生活センターなどに寄せられた地震や台風、豪雨に関連した相談内容を分析したもの。高齢者を中心に被害が拡大しており、災害発生時の冷静な対応と適切な知識の普及が急務となっている。