兵庫県の「フェニックス共済」が制度変更、南海トラフ地震時には給付に限度額を設定
フェニックス共済が変更、南海トラフ地震時は給付に限度額

阪神大震災の教訓から生まれた共済制度が転換点に

兵庫県が独自に運営する住宅再建共済制度「フェニックス共済」が、2026年4月から重要な制度変更を実施しました。この変更により、大規模災害が発生した場合、給付金の支払いに限度額が設けられることになりました。

創設20年を迎えた制度の持続可能性への模索

フェニックス共済は、1995年の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、全国に先駆けて2005年9月に創設されました。震災後、住宅ローンを抱えながら住宅再建に苦しむ被災者が多かったことから、県内の戸建てやマンション所有者を対象に、手軽な掛け金で加入できる制度としてスタートしました。

加入者は年額5,000円の掛け金を支払うことで、自然災害により住宅が全壊または半壊した場合、最大600万円の給付金を受け取ることができます。これまでに2018年の台風21号災害などで被災した457戸に対し、約7億円が給付されてきました。

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南海トラフ地震への懸念が制度変更の背景に

制度変更の背景には、南海トラフ地震発生時の財政リスクへの懸念があります。県が昨年設置した有識者会議の試算によると、南海トラフ地震で最大規模の被害が発生した場合、給付金の総額は501億円から1,437億円に達する可能性があります。

これまでの制度では、給付金の総額が積立金を上回った場合、不足分を金融機関から借り入れ、県がその損失を補填する仕組みでした。しかし、大規模災害時には県財政に大きな負担がかかることから、県議会から「財政破綻するのではないか」との懸念の声が強まっていました。

新制度の詳細と今後の見通し

2026年4月1日から施行された新制度では、県の損失補償規定が削除されました。今後は、積立金の残高や被災規模、将来発生が予想される災害を考慮し、県がその都度給付の限度額を決定することになります。

現在の積立金残高は143億円で、加入者数は16万5,525戸、加入率は9.4%となっています。県の目標加入率15%にはまだ達していませんが、制度の持続可能性を確保するため、今回の変更が実施されました。

県の担当者は「できるだけ多くの方に加入していただき、阪神大震災の教訓から生まれた共助の仕組みを維持していきたい」と述べています。また、県は給付金の総額が60億円以上になる地震の発生頻度は200年に平均1回と指摘し、「多くの場合では定額の給付金を受け取ることができる」と説明しています。

この制度変更は、大規模災害に備えた持続可能な共済制度の在り方を模索する重要な一歩と言えるでしょう。兵庫県は阪神大震災の経験を活かし、災害に強い社会づくりを進めています。

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