福島大生が被災経験を生かし「ぼうさい意識袋」を開発、防災意識の向上を目指す
東日本大震災から15年という節目を迎え、防災の大切さを改めて考える機会を提供しようと、福島大学災害ボランティアセンターの学生たちが、独自に考案した「ぼうさい意識袋」を開発しました。このプロジェクトは、震災当時の記憶や、その後発生した災害の被災地でのボランティア活動経験を基に、学生自身が「必要」と感じた防災用品を厳選して詰め込んだものです。地元企業の協力を得て、3月11日には同大学の学生たちに届けられる予定です。
被災経験から生まれた防災用品のアイデア
「ぼうさい意識袋」は全部で4種類あり、それぞれに防災用品とともに、学生たちの被災経験からくる災害への「思い」が込められています。例えば、トランプが全ての袋に含まれているのは、災害時に緊張や不安を和らげ、場所や人数を選ばずに気持ちをリフレッシュできるようにとの配慮からです。このアイデアを提案したのは、災害ボランティアセンターのメンバーで、南相馬市出身の渡部智美さん(行政政策学類2年)です。渡部さんは「避難先でゲームをして、地震の怖さが軽くなった」という自らの経験を形にしました。
その他の主な中身としては、学生たちが能登半島地震の被災地で復興支援活動を行った経験を活かし、食料袋にはちり紙で作ったこよりを差してランプとしても利用できるツナ缶を入れるなど、実用的なアイテムが選ばれています。これにより、単なる防災用品の詰め合わせではなく、実際の被災体験に基づいた知恵が詰まった袋となっています。
地元企業との連携と社会貢献
このプロジェクトは、福島大学校友会が企画し、災害ボランティアセンターが監修を行いました。防災用品の調達には福島市のハシドラッグが、配送には県内に拠点を置くヤマト運輸が協力しています。2000円相当の防災用品が詰まった袋を、1種類500円で学生向けに100個限定で販売し、売り上げの一部は日本赤十字社を通じて、能登半島地震の被災地支援に寄付されます。
1月18日には、福島大学で記者会見が開催され、校友会長の三浦浩喜学長、ハシドラッグの橋浦希一社長、ヤマト運輸の石毛智昭福島主管支店長らがプロジェクトを発表しました。災害ボランティアセンターからは、渡部さんのほか、統括マネジャーの藤島大右さん(人間発達文化学類4年)と村岡諒彦さん(同3年)も参加し、プロジェクトへの熱意を語りました。
三浦学長は「震災から15年が経ち、記憶が徐々に風化しつつある」と指摘した上で、「この『ぼうさい意識袋』が、学生一人一人が防災を『自分ごと』として考えるきっかけになってほしい」と訴えました。この取り組みは、防災意識の向上だけでなく、地域社会との連携や被災地支援にも貢献するものとして期待されています。



