津市、文化ホール維持へ「最後の投資」 5年間で20億円投じ8施設改修
津市、文化ホール維持へ「最後の投資」 5年間で20億円

三重県津市は2025年度から2029年度にかけて、市内各地に点在する文化ホールの大規模改修を進めている。市が設置する11施設のうち、多くは利用率が半分以下にとどまっており、老朽化と利用低迷が深刻な課題となっている。この状況を打破するため、市は「最後の投資」と位置づけ、5年間で総額20億円を投じて8施設を改修する計画を打ち出した。

施設の現状と課題

2006年に10市町村が合併して誕生した津市では、合併前に各地域の文化拠点として整備されたホールが現在も残っている。旧津地域には2施設、その他の9地域にはそれぞれ1施設が設置されている。さらに、県や大学の施設も市内に存在する。各施設の整備時期は昭和50年代から令和時代にわたり、規模や利用状況には大きなばらつきがある。

市文化振興課によると、津リージョンプラザ、久居、アストの3施設では利用率が7割を上回る一方、河芸、芸濃、美里の3施設では3割を下回っている。特に美里文化センターは市内で最も利用率が低く、施設の有効活用が急務となっている。

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「みんなで使おう文化ホールプロジェクト」の始動

こうした状況を踏まえ、市は既存施設の利活用を促進する「みんなで使おう文化ホールプロジェクト」を開始した。このプロジェクトでは、地元住民や利用者の意見を積極的に取り入れながら、各施設の改修を進める方針だ。本年度は芸濃と美里の2施設で照明や音響設備の更新、トイレの洋式化を実施する。また、安濃と一志の2施設では照明のLED化に向けた実施設計に着手する。

改修工事は計画的に進められ、2029年度までに8施設の改修を完了する予定である。市はこれにより、施設の魅力向上と利用率の改善を目指す。

市長の見解:「最後の投資」と将来的な再編

前葉泰幸市長は、一連の改修を既存の11施設を維持していくための「最後の投資」と強調する。その一方で、将来的な施設の再編や統廃合については、財政が厳しい状況にあることから「適正な数に整えていかなくてはならない」との認識を示している。つまり、今回の改修投資が既存施設の維持にとって最後のチャンスであり、今後は施設の統廃合も視野に入れた検討が必要だというメッセージだ。

津市の文化ホール問題は、合併自治体に共通する課題の一つである。地域ごとに整備された施設をどのように維持・活用していくかは、多くの自治体が直面する難しい問題だ。津市の取り組みは、その一つのモデルケースとして注目される。

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